レア音源のCD化は既に日常茶飯事の出来事で中にはおいおい又かよ・・・なんてのもあるけれど
ここにきて非トラッド英国フォークの最終兵器と言えるようなレア音源が続々登場!
僕の思い込みが無駄に激しいというのもあるけれどどれも冷静な判断ができない程素晴らしくて
ああ泣きそうです。 いやすでに泣いています。


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HERON 「UPON REFLECTION-THE DAWN ANTHOLOGY」 (2006)
英 CASTLE CMDDD1432 (CD)
 disc 1
 1 Yellow Roses
 2 Car Crash
 3 Harlequin 2
 4 Smiling Ladies
 5 Little Boy
 6 Sally Goodin

 7 Upon Reflection
 8 Lord And Master
 9 Little Angel
10 Goodbye
11 For You

 12 Sally Goodin
 13 Carnival And Penitence
 14 Harlequin 2
 15 Rosalind
 16 Bye And Bye
 17 Through Time
 18 Only A Hobo
 19 I'm Ready To Leave
 20 River Of Fortune
 21 Some Kinda Big Thing
 22 If It's Love
  disc 2
 1 Madman
 2 Take Me Back Home
 3 Love 13 (Lone)
 4 Something Inside
 5 Miss Kiss
 6 John Brown
 7 Big A
 8 Winter Harlequin
 9 The Sound Of The Music
10 Your Love And Mine

 11 You Really Got A Hold On Me
 12 The Great Dust Storm
 13 My Turn To Cry
 14 This Old Heart Of Mine
 15 Minstrel And A KIng
 16 Getting 'Em Down
 17 I Wouldn't Mind
 18 He's A Poor Boy
 19 The Devil
 20 Wanderer
 21 
Harlequin 5

ドーン・アンソロジーというサブタイトルどうりヘロンがドーン・レーベルから発表した全曲と
未発表曲〜ヴァージョンを5曲をブチ込んだお徳感のある2枚組。 その5曲を聴くために
出た瞬間ダッシュで購入した訳ですが 残りの38曲についてはまた同じ音源を購入するハメに!
・・・と何の疑問も無くこんな商法に乗っかっていますが全然OKです。 だってヘロンだから!

ディスク1の1〜13曲目が1970年の1st「Heron」から 16〜19曲目が1971年の4曲入りEPから
ディスク2の全曲が1971年の2nd「Twice As Nice & Half The Price」からとなっています。
これらの楽曲たちはもう何度も何度も聴いている訳ですが これから更に何千何万回聴いたとしても
飽きる事無く一生聴き続けるでしょうね。 それくらい凄いですよ。

4曲入りEPはスタジオ録音ですが1stと2ndは屋外録音で鳥のさえずりや風の音が聴こえてきて
聴くだけで僕を英国の田園風景の中へと連れていってくれ 聴くだけで草の香りをかほらせてくれ
聴くだけで頬に吹きつける優しい風や柔らかな日差しを感じさせてくれる凄い名曲が並んでいます。
こんな音楽が存在している事自体が奇蹟で・・・すべての音楽の中でも最高峰の内のひとつ!

サウンドはアコギとオルガンやアコーディオンなどの伴奏によるフォークが基本になっていますが
2ndではベースやドラムスやエレキ・ギターも入ってロック〜フォーク・ロックな曲も多く入っています。
じっくりとその世界に浸る事ができるのはフォーク・タイプの曲ですが ヘロンの場合は出てくる音が
フォークだろうがロックだろうが大した問題では無く 感動的に素直で覚えやすいメロディーと
感動的にユルいハーモニー・ヴォーカルと感動的にユルい演奏がそこにはあり最高峰!

問題の未発表曲〜ヴァージョンの5曲がまた凄い! 1st収録ヴァージョンではブツリと切られていた
最後の長い演奏部分も収録した完奏ヴァージョン14曲目。 その演奏部分のモタつき感はさすが!
15曲目は1stアルバムのアウトテイクでヘロンにしては複雑なメロディーラインの哀しげな曲。
20曲目と21曲目は英RELAXX社から出ていたレア音源集「ODZNENZ」にも収録されていたけど
「ODZNENZ」のヤツとはヴァージョンが違ってナイス! 

そしてそして22曲目は本当にヘロンなのか?と思わせる甘ったるいヴォーカルに誰もがハッとする
アイドル系ポップ・ロックのようなキャッチーな名曲! 軽快なギター・カッテイングも最高だあぁー!
この22曲目は2nd発表後の1972年録音で1970年代のヘロン最後の曲なのかい?
この時の録音はこれ1曲だけなのかい? いや 気合いで発掘すれば発掘できるはずだ!
もっと1970年代のヘロンを聴きたい! もっともっと聴きたい! 発掘しろ! はやく発掘しろ!

何と!あのヘロン様のレヴューが読めるページ
第2号 2000/1/16 英国フォークの最高峰ヘロン
第31号 2001/2/10 ヘロン大量入手で心ここにあらず
第87号 2004/5/16 ヘロン祭りだ!わっしょい!わっしょい!
 


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MARY HOPKIN 「VALENTINE」 (2007)
英 MARY HOPKIN MUSIC MHM002 (CD)
1 With You Or Without You
2 Hope Is
3 Sometimes It's Not Enough (When You Use Only Words)
4 No Love Is Sorrow
5 Life Begins Again
6 All The Diamonds

  7 There I Find You
  8 Loving You Is So Easy
  9 Never Turn Your Back On Mother Earth

 10 Only Lovers Decide
 11 Trust Onece More
 12 All I've Ever Known

このメアリ・ホプキン様の未発表曲集はインターネットのサイトのみで販売されているCDで
同じくネット販売のみのライブ盤との抱き合わせ商法で安くなるキャンペーン中でした。
海外サイトから購入なんて何だかよくわからないけれど気合いでマウスをクリック!クリック!
ペイパルなる何だかよくわからない支払い方法でクリック!クリック!で抱き合わせ購入しましたよ。

しかし幼少の頃から脂ギッシュだったという悲しい過去を持つ僕のようなチンピラでも
クリック!クリック!で簡単に海外通販ができるなんて狂った時代になったモノです。
いや狂った時代のおかげでメアリ様のレア音源が聴けるのだから幼少の頃から脂ギッシュだろうが
幼少の頃から異様な口臭を放っていようが もう悲しい過去をひきずる必要はありませんよ!

収録曲の録音時期は1972年から1980年という表記がありますが
各曲の詳しいインフォメーションが載っていないのでどの曲がどの時期の録音か定かではありません。
全体的にアコースティックな感触の曲が多いですが1971年の2nd「Earth Song/Ocean Song」のような
英国フォークの香り漂うアコースティックな感触では無く ベスト盤の「Those Were The Days」に近い
ポップスと歌謡フォークの中間を行くようなサウンドでしょうか。 そしてどの曲もお蔵入りしていたのが
もったない程の完成度があるし1枚のアルバムとしてもヒジョーに良い流れになっています。

アップル・レーベル時代の彼女はドノヴァンやラルフ・マクテルやギャラガー&ライルなどの曲を
取り上げていて楽曲自体が素晴らしく もうそれだけで大興奮!な通好みの選曲をしてきたのですが
このCDでも 3曲目のジョン・コンゴス 4曲目のペンタングル 6 7曲目のブルース・コバーン
10 11曲目のエミット・ローズなど 通が興奮しまくる渋いけど鋭い選曲になっていますよ。
そしてそして 2 5 12曲目は これは珍しいメアリ様の自作曲になっています。

僕はブルース・コバーン作の 6 7曲目が特に好きですねぇ。 あぁしみじみと良い曲です。
もちろん全編メアリ様の清楚で伸びやかなヴォーカルが聴けて卒倒だし当たり前のように鼻血は出るは
ヨダレは出るは その他の色々な汁も体中の穴という穴から出るはで てんやわんやですよ!

くっそー! 「Earth Song/Ocean Song」のアウトテイクとか無いのかなぁ。 いや気合いで発掘すれば
発掘できるはずだ! もっと1970年代のメアリ様が聴きたい! もっと聴きたい! もっと発掘しろ!

遂に!あのメアリ・ホプキン様のレヴューが読めるページ
第1号 2000/1/9 メアリ・・・イアンとシルビア・・・これを聴いて死ね
第57号 2002/8/12 あの手この手でゲーノー界にしがみつけ
第77号 2003/10/31 もうコンパクト・ディスクなんかいらねー!
第112号 2006/3/23 メアリ・ホプキン様を無理して探せ!
第125号 2007/4/4 エンゼル・ヴォイス・チャート第1位は誰だ?
 


SomeThingsJustStickInYourMind.jpg
VASHTI BUNYAN
「SOME THINGS JUST STICK IN YOUR MIND : singles and demos 1964 to 1967」 (2007)

日 HOSTESS/FAT CAT FATCD59J (CD)
 disc 1
 1 Some Things Just Stick In Your Mind (decca single 1965)
 2 I Want To Be Alone (decca single 1965)
 3 Train Song (columbia single 1966)
 4 Love Song (columbia single 1966)
 5 Winter Is Blue (unreleased single for immediate 1966)
 6 
Coldest Night Of The Year
   (unreleased single as "Twice As Much and Vashti" 1966)

 7 I'd Like To Walk Around In Your Mind
   (unreleased single for immediate 1966)
 8 Winter Is Blue (restored acetate demo 1966)
 9 Girl's Song In Winter (john bunyan's tape 1966)
10 If In Winter (100 Lovers) (john bunyan's tape 1966)
11 Wishwanderer (restored acetate demo 1967)
12 Don't Believe (john bunyan's tape 1966)
13 17 Pink Sugar Elephants (john bunyan's tape 1966)
bonus tracks
14 I Won't Say (john bunyan's tape 1966)
15 Girl's Song In Winter (john bunyan's tape 1966)
16 If In Winter (100 Lovers) (john bunyan's tape 1966)
17 I'd Like To Walk Around In Your Mind (john bunyan's tape 1966)

 disc 2
 1 Autumn Leaves (1964 tape)
 2 Leave Me (1964 tape)
 3 If In Winter (100 Lovers) (1964 tape)
 4 How Do I Know (1964 tape)
 5 Find My Heart Again (1964 tape)
 6 Go Before Dawn (1964 tape)
 7 Girl's Song In Winter (1964 tape)
 8 I Don't Know What Love Is (1964 tape)
 9 Don't Believe What They Say (1964 tape)
10 Love You Now (1964 tape)
11 I Know (1964 tape)
12 Someday (1964 tape)

で で で 出たぁー! ヴァシュティ・バニヤン様の初期シングル&未発表音源集!
CD2枚組みのヴォリュームで登場だぁ! やった 凄いぜ 父ちゃん! 明日はホームランだ!
日本盤CDだともれなくボーナス曲4曲入り商法だったので気合いの日本盤定価購入!
まあ日本盤といっても純粋な日本盤という訳では無く英ファット・キャット盤に帯をつけ
解説の紙を入れ ディスク1をボーナス曲入りのディスクに変えたという体制になっております。

ディスク1前半のシングルA面曲なんかはストリングスも被さっていかにもの1960年代ポップス。
だけどそこに今にも消え入りそうな儚く美しいヴァシュティの歌声が乗かっると凄い事に!
ただの1960年代ポップスでは片付けられないレベルに到達しています。 何ですかこれは!
ヴァシュティ・マジックですか? もうどうしようもないくらい素晴らしくてメロメロです。

後半のジョン・バニヤンズ・テープはほぼ弾き語りで音がこもっていたりノイズが入ったりで
いかにもデモ音源という感じはあるものの やはりヴァシュティの今にも消え入りそうな歌声が
乗っかる事によりただのデモ音源のレベルからレベル・マックスへ!・・・素晴らしくて絶句です。

なお 4 7 8曲目は「Just Another Diamond Day」のボーナス曲と同ヴァージョンのようです。
また6曲目もTwice As Muchのアルバムに入っているのと同じヴァージョンに聴こえます。

ディスク2は全編アコギの弾き語りで各曲の演奏前に曲名を言ってから演奏が始まります。
楽曲のメロディー展開やリズムの感覚に「Just Another Diamond Day」の原型が見え隠れして
すでに1964年の時点でこの感覚があるのにはびっくりです。 そしてもちろんこのディスク2でも
儚く美しくて優しげな歌声が聴く者をヴァシュティ・ワールドに連れて行ってくれて・・・絶句です。
ディスク2は美しくて愛しい1枚のアルバムとして聴いても完成されていてナイス編集!ですね。
ディスク1とディスク2合わせてもCD1枚で収まる総収録時間なのに2枚に分けて大正解です。

しかし本作の1960年代の音だろうが1970年の1st「Just Another Diamond Day」だろうが
35年ぶりの2nd「Lookaftering」だろうがヴァシュティはヴァシュティだというのを再認識しました。
・・・って何が言いたいか自分でもよくわからないのですが いつの時代だろうが彼女の歌声は
僕を幸せな気分にさせてくれ日々のイヤな事を忘れさせてくれるマジックがありますよ。
復帰後の活動も順調だし近々3rdアルバムも届く事でしょう。 その3rdがどんなサウンドだろうが
僕は彼女の歌声でまた幸せな気分になれそうな気がします・・・ヴァシュティはヴァシュティ。

ああヴァシュティ! 「Just Another Diamond Day」のアウトテイクとかデモとか無いのかい?
いや気合いで発掘すれば発掘できるはずだ! もっとヴァシュティが聴きたい!
もっともっと聴きたい! もっと発掘しろ! もっともっと発掘しろ! はやく発掘しろ!

まさか!あのヴァシュティ・バニヤン様のレヴューが読めるページ
第13号 2000/5/1 そそるジャケットに社会復帰不可能状態
第22号 2000/9/24 遂に出ましたヴァシュティ様の正規盤CD
第109号 2005/12/31 母さん!事件ですよ!ヴァシュティですよ!
第124号 2007/3/9 全米が泣いた!ヴァシュティ・バニヤン来日公演

ディスク1の6曲目「Coldest Night Of The Year」を収録したTwice As Muchのアルバム・レヴュー
第51号 2002/2/15 近未来派はCDケースが割れても気にしない、気にしない
 

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