HMVのサイトで何だかよくわからないアメイジング・ブロンデルのCDが
1172円で低価格販売されているのを発見! 更に只今キャンペーン中につき
輸入盤CDを3枚購入すると割引きが適用されて977円というバカ安価格!
このアルバム 曲名も載っていたけど知らない曲が多くて 後期のベスト盤なのかなぁと思い
それもバカ安ベスト盤にありがちなテキトーなつくりの1枚に違いないなと思いながらも
まあ安いしアメイジング・ブロンデルだし購入しておくか・・・と購入してしまいました。
ところがこれが開けてびっくり 2004年の「Going Where The Music Takes Me」に続く
未発表音源集の第2弾だったのです。 ホントびっくりしてあたふたしたぜ! 
そんなんでアメイジング・ブロンデルを語らずにはいられない状態ですよ。


OnWithTheShow.jpg
AMAZING BLONDEL 「ON WITH THE SHOW」 (2007)
英MOONCREST CRIDE 72 (CD)
1 Sleepy Laburnum
2 Weavers Market
3 Blackbirds And Thrushes
4 Love Sonnet
5 Josie
6 Keep Away
7 In The Bleak Midwinter

  8 I Need You
  9 On With The Show
 10 Night Life
 11 Love's A Nightingale
 12 Queen Of Hearts
 13 Help Us Get Along
 14 Lesson One
 15 As Close As This
 16 Ring And Things
 17 Friend Of Mine
 18 Saying Goodbye To The One You Love
 19 Genevieve
 20 I Can Hold You

結局HMVのサイトで他のCDも合わせて3枚購入してアメイジング・ブロンデルは977円でゲット!
しかし届いたダンボールを開けたらこんな意味不明のダサいジャケットが出てきました。
そして僕が大嫌いなデジパック仕様ときたモンだ! ・・・とネット・ショッピングというのは
実物がどんな仕様か知らずに購入する場合が多いので 実物が届いて何だよこれ!となりますね。
まあ こんなダサいジャケットでデジパックだと元々わかっていてもアメイジング・ブロンデルなので
見つけたら迷わず購入する確率はヒジョーに高いです・・・というか迷わず購入するけどね。

さて この未発表音源集の第2弾。 CD2枚&DVDが箱に入っている豪華セットだった第1弾の
「Going Where The Music Takes Me」は各曲の録音情報が詳しく表記されていたけれど
本盤の文字情報は各曲の参加メンバーの表記だけで録音時期もわからない事になっています。
その音からある程度時代はわかるのでアメイジング・ブロンデルの必殺技の笛類が入っている曲が
少ないところから行くとほとんどの曲が1970年代後半から1980年代の音源ではないでしょうか。

ただ8曲目は1960年代の音源ですね。 アメイジング・ブロンデルの前身バンド メトセラーの
更に前のゴスペル・ガーデン名義でアメイジング・ブロンデルとは全く趣きの違う音になっています。
そう ゴスペル・ガーデンの曲は「Going Where The Music Takes Me」にも1曲入っていました。

そして全体的に「Going Where・・・」から漏れた音源を詰め込みました的な雰囲気も感じます。
「Going Where・・・」と比べてしまうとあれ程の内容では無いけれど やはり素晴らしいですよ。

出だしの穏やかなフォークのライブ音源 1〜4曲目が良くて つかみはオッケー状態だし
グロッケンスピール入りの可愛らしい子守唄フォーク7曲目がたまらない事になっています。
そして笛が入る 11 12曲目も良いなぁ。 なお 4 7 11 12曲目は「John Gladwin with
Englishe Musicke」という名義で 3曲目はEnglishe Musickeのメンバーの人のインスト演奏です。

目玉はジョン・グラッドウィンの未発表ソロ作の音源 15 16 18曲目でしょうか。
これらは割とフツーなフォーク・ロックになっていて別に大した事の無い音だけれど
アメイジング・ブロンデルに数々の名曲を提供してきた彼の作るメロディーはとても美しいですねぇ。
そして20曲目のエドワード・ベアードのソロのデモ音源もまた美しく響き 最後を締めてくれます。

その他ダサいポップ・ロックも数曲あるけど 他のバンドがやったらダサくて仕方ないけれど
なぜかアメイジング・ブロンデルだと このダサさに愛しさを感じてしまうんだよねぇ。

このアルバムを冷静に判断すると アメイジング・ブロンデルがホントに大好きで
アメイジング・ブロンデル無しでは生きられないという気の狂ったマニア向けの1枚でしょうね。
気の狂ったマニアで無くても 発売されたばかりの最新の新譜がこんな低価格販売中なのですよ!
冷静に判断なんかするな! とりあえず購入すべき・・・いや! 迷わず購入すべきでしょう。

で 迷わず購入する手助けとしてアメイジング・ブロンデルのディスコグラフィーを作ってみました。

1st「The Amazing Blondel」(1970)・・・第104号
2nd「Evensong」(1970)・・・第104号
3rd「Fantasia Lindum」(1971)・・・第9号
4th「England」(1972)・・・第76号
5th「Blondel」(1973)・・・第128号
6th「Mulgrave Street」(1974)・・・第128号
7th「Inspiration」(1975)・・・未所有 ちっきしょー! 聴きてぇー!
8th「Bad Dreams」(1976)・・・未所有 ちっきしょー! 聴きてぇー!
9th「Live In Tokyo」(1977)・・・第128号
ベスト盤「Englishe Musicke」(1993)・・・未所有 でもベスト盤なので別にいらねー!
発掘ライブ盤「A Foreign Field That Is Forever England-Live Abroad」(1996)・・・第128号
再結成盤「Restoration」(1997)・・・第104号
未発表音源集「Going Where The Music Takes Me」(2004)・・・第104号
未発表音源集第2弾「On With The Show」(2007)・・・第128号
 
第128号というのはこのページの事なのでリンクをクリックしても意味は無いです。
未所有もリンク先が「http://www.未所有.htm」になっているのでクリックしても意味は無いですよ!
 


Blondel.jpg
AMAZING BLONDEL 「BLONDEL」 (1973)
英EDSEL EDCD 460 (CD/1995)

chapter one
1 Prelude
2 The Leaving Of The Country Lover
3 Young Man's Fancy
4 Easy Come, Easy Go
5 Solo
  chapter two
  6 Sailing
  7 Lesson One
  8 Festival
 
 9 Weaver's Market
 10 Depression

アメイジング・ブロンデルのメンバー構成は1stはテリー・ウインコットとジョン・グラッドウィンの2人組。
2nd〜4thはその2人にエドワード・ベイアードが加わった3人。 5thの本作からグラッドウィンが抜け
最終作の「Live In Tokyo」までテリー・ウインコットとエドワード・ベイアードの2人組になっています。

となると1st〜最終作まで在籍したテリー・ウインコットがアメイジング・ブロンデルを支えてきたと
考えたいけど 楽曲を提供していたのは1st〜4thまでは主にジョン・グラッドウィンで
そのグラッドウィンが抜けた本作では全曲エドワード・ベイアード作の曲になっているのです。
つまりテリー・ウインコットが支えてきたのは只者では無いヒゲの大爆発ぶりを生かした(?)
ヴィジュアル方面ですね・・・いやもちろん彼は歌に演奏に活躍していますけどね。

で 楽曲提供者が変わってしまった本作は サウンドに少々ロック〜ポップス風味が加わり
古楽器の使用頻度も減り 英国臭を放ちまくる格調高い午後の紅茶フォークでは無くなったけれど
優しさに溢れたその感触は変わっておらず メロディーの美しさも相変わらずで ズバリ!名盤です。

爽やかな朝の目覚めに差し込む光のようなインスト1曲目から4曲目までは曲間が無く良い流れです。
特に穏やかなフォーク・ロックの3曲目は「アイ・ラブ・ユー」とか「キス・ユー」とか素敵な歌詞が聴こえ
ストリングスが絡み盛り上がり 最後にハープシコード&リコーダーも切れ込むという名曲ですよ。
そしてギターのインストの5曲目は午後の紅茶フォークというよりも 午後の紅茶クラッシックですね。

後半に行くと3曲目と同系統の穏やかなフォーク・ロックの6曲目も中々良いです。
7曲目と9曲目は前項の「On With The Show」にもライブ・ヴァージョンが収録されていました。
切ないメロディーで綴られるフォークの7曲目も名曲だねぇ。 トラッド色のあるメロディーが
彼らにしては異色でもある9曲目はゲスト参加で歌うポール・ロジャース他の歌声が
アメイジング・ブロンデルに合っていない感じなので「On With The Show」のライブの方がいいなぁ。
 
リコーダーが入る3拍子の8曲目は可愛らしいけれど格調高さも感じるポップ・フォークといった趣き。
最後の10曲目は抑揚の無いメロディーで展開するフォーク曲。 リコーダーも入るよ!

この5th「ブロンデル」がアメイジング・ブロンデル最後の輝きみたいに語られる事も多いですね。
そのせいかどーかは知らないけれど今のところCD化されているのは1st〜5thまでなのです。
次の6thアルバムも僕はけっこう良いと思っているのですが・・・
 


MulgraveStreet.jpg MulgraveStreetBack.jpg
AMAZING BLONDEL 「MULGRAVE STREET」 (1974)
英DJM DJLPS 443 (LP)
A1 Mulgrave Street
 2 Iron And Steel
 3 Leader Of The Band
 4 Light Your Light
 5 Hole In The Head
 B1 Help Us Get Along
  2 See Em Shining
  3 Love Must Be The Best Time Of Your Life
  4 All I Can Do
  5 Goodbye Our Friend
  6 Sad To See You Go

オリジナルLPでいくと2nd〜5thまではアイランド・レーベルから出ていました。
この6thからDJMへ移籍しサウンドもだいぶ変化しています。 フォーク色も多少あるのですが
エレキ・ギターの使用が増えて割とフツーのフォーク・ロック・アルバムと言ってもいいでしょうね。

古楽器を多用して他には無い独特の雰囲気を放っていた特殊フォークのアメイジング・ブロンデルが
フツーのフォーク・ロックをやるグループになったと考えるとそりゃーダメになったと思いますが
そんなの関係なくフォーク・ロック・アルバムだと思って聴くとこの作品は中々良いじゃないですか。

アルバム・タイトルのムルグレイブ・ストリート(読み方適当シリーズ)っていうのはロンドン郊外の
通りの名前だと僕は勝手に決め付けていて そのアルバム・タイトルとレンガ塀のジャケットから
英国臭がプーンと漂いますねぇ。 出てくる音もアメリカンを感じさせない英国の音になっていますよ。

アルバム・タイトル曲A1からゆったりと優しげで美しいメロディーが流れてきて おおっ!となります。
途中曲調が変わって以前のアメイジング・ブロンデルのような室内楽フォークになり
最後は元のメロディーに戻りエレキ・ギターが印象的なフレーズを繰り返し 盛り上がるという名曲!

B面に優しい感触の素敵な曲が並んでいてこれが良いんだなぁ。
特に哀しみを纏った美しいメロディーがピアノに乗って歌われる最後のB6で涙がホロリ。
「君がいなくなると淋しくなるよ」な曲のタイトルも涙ホロリを演出してくれます。 ああ良いなぁ。

ところでこのアルバム「英国ロックの深い森」のアメイジング・ブロンデルの項を見ていたら
レコード番号が僕が所有している「DJLPS 443」では無く「DJF20442」になっていました。
僕が所有しているのって再発盤なのかな? まあこんな素敵な音が聴けるのであれば
再発でも何でもいいのだけど・・・ちょっと気になる。 気になっても相変わらず調べないけどね!
 


LiveInTokyo.jpg LiveInTokyoBack.jpg
AMAZING BLONDEL 「LIVE IN TOKYO」 (1977)
英DJM DJF 20503 (LP)
A1 Help Us Get Along
 2 The Leaving Of The Country Lover
 3 Young Man's Fancy
 4 Love Must Be The Best Time Of Your Life
 5 
Lesson One
 B1 For Our Love
  2 The Lovers
  3 Mulgrave Street
  4 Sad To See You Go

1977年の最終作はライブ盤です。 タイトルは「ライブ・イン・東京」だけれども
アメイジング・ブロンデルは東京でライブをした事はありません。 来日していませんからねぇ。
そして表記が無いので いつどこで行われたライブなのか結局わからないというオチもついています。
どうしてこのタイトルにしたのかは永遠の謎だけれども この謎を英国的なユーモアだと言って
片付けてしまうなんてダメでしょう。 僕は英国的なユーモアだと言って片付けていますけどね。

サウンドはドラムスやエレキ・ギターなどは入らず後期のロック〜ポップス色は無いです。
かといって初期の古楽器を多用して必殺の笛類が炸裂するようなフォークでもありません。
アコギとオーケストラで全編彩られた室内楽風フォークのライブ・アルバムになっているのです。

オーケストラはふたりの素敵な「うた」を聴かせる時は控え目に入り 盛り上げる所は盛り上げ
さりげないくせに的確です。 選曲も「ブロンデル」から A2 A3 A5 「ムルグレイブ・ストリート」から
A1 A4 B3 B4 と良い曲をセレクトしていて ライブ盤ながらこれは室内楽風フォークの名盤です。
残りの B1 B2 は僕が未所有のアルバムからの曲なのかな? 悔しいので調べません!

どの曲も優しさに溢れたメロディーが心に響く名曲揃いですが やはりハイライトは
「ムルグレイブ・ストリート」からの B3 B4 ですね。 アメイジング・ブロンデル最後のアルバムの
最後の曲が「君がいなくなると淋しくなるよ」なタイトルの「Sad To See You Go」ですかぁ。
「ムルグレイブ・ストリート」のスタジオ・ヴァージョンではピアノの伴奏で歌われていたこの曲。
アコギの伴奏にオーケストラが被さった室内楽風フォーク・ヴァージョンもたまりませんねぇ。
もうこうなったらボロボロと泣くしかないでしょう。 ちっきしょー! 良い!

この「ライブ・イン・東京」のジャケットを語ってみた文章・・・2006年10月1日更新の表紙
 


AForeignFieldThatIsForeverEngland.jpg
THE AMAZING BLONDEL
「A FOREIGN FIELD THAT IS FOREVER ENGLND-LIVE ABROAD」 (1996)

ヴィヴィッド・サウンド VSCD-2718(I) (CD)

1 Introduction
2 Seascape
3 Dolor Dolcis
4 Willowood
5 Pavan
6 Spring Air
  7 Shepherd's Song
  8 Celestial Light
 
 9 Fantasia Lindum
 10 Landscape
 11 Saxson Lady

こちらは1972年〜1973年に欧州各地で行われたライブの音源を集めた発掘盤です。
英HTD社からの輸入盤に日本語解説の紙を封入したタイプのCDですが 解説というか
英文のブックレットを訳した紙が入っているだけで解説ではないな。 そんな盤ですが
当時僕は定価の2500円プラス税という価格で新品購入しているはずです。 偉い! 俺!

ルックス方面ではずーっとテリー・ウインコットのヒゲの爆発の事ばかり言っていましたが
このジャケットを見ていたら金髪のジョン・グラッドウィンもヒッピー化したジーザズの如くで
ヤバい事になっていますねぇ。 ある意味置き物です。 土産品です。 英国の特産品です。

録音時期が1972年〜1973年という事は古楽器を操って格調高い特殊フォークをやっていた
アメイジング・ブロンデルの黄金期なので収録された楽曲もどれも素晴らし過ぎですよ。
ホントこの時期のアメイジング・ブロンデルは覚えやすくて美しいゆったりとしたメロディーと
優しげなヴォーカル・ハーモニーが織り成す極上フォークというだけでも最高峰なのに
伴奏に古楽器を使っていて 他の同時期の英国フォークの人たちと比べても
「違う何か」が放たれていて凄い事になっています。 つまり英国の特産品なのです。

ライブなのでスタジオ盤程の繊細さは無いですが 9曲目の「ファンタジア・リンダム」なんか
20分近い演奏をしっかりとやっているのは凄いなぁ。 7曲目などはおトボケが入って
観客を笑わせたりして和やかな雰囲気。 これもライブならではでしょうね。

アメイジング・ブロンデルといえば格調高く炸裂する笛類ですが 本ライブでもしっかりと
炸裂してくれているのが嬉しいですねぇ。 最後の「サクソン・レディ」はスタジオ盤以上に炸裂!

本作の収録時間は70分以上あり最後まで集中して聴けなくなりそうな収録時間だけど
これだけ美しい曲が並んだら最後まで集中してうっとりできますね。 さあ皆でレッツ・うっとり!

しかしアメンジング・ブロンデルは1977年の最後のアルバムもライブ盤だったし
このCDに収録された1972年〜1973年の期間は欧州中をライブして回っていたようです。
また2枚の未発表音源集のCDにも多くのライブ・ヴァージョンが収録されていたし
1970年代の活動期間中は年間500本位のライブをこなしていたと考えるのが妥当です。
そんなにライブをしていたらそりゃー床屋に行く時間も無いと考えるのが妥当じゃないですか。
それでテリー・ウインコットのヒゲは整える暇も無く大爆発と考えるのが妥当だし
ジョン・グラッドウィンの髪とヒゲも整える時間が無くてヒッピー化したと考えるのが妥当です。
10分で散髪できる1000円床屋の存在を彼らに教えてあげたい・・・よし! 今 教えてあげた!

ふう・・・という事でアメイジング・ブロンデルをこれだけ語ったら満足です。 ああ 満足 満足。
 

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