英国フォーク系のヤバいのを中心にCD化してくれている英サンビーム社。
次から次へと聴いてみたいのをCD化しちゃう派なので あれもこれも聴きたい!と
発作的に購入していたらCD棚にはサンビーム社製品が増えてきましたよ。
そして一部作品はLP再発もしているという念の入れよう(?)でやる気満々なのです。
聴いてみたいヤツでまだ購入していない物もあるし 今後も凄いのを出しそうだし
一時期のキッシング・スペルのように「何か凄いレーベル」になれるかしら?
ねえ サンビーム社さん! 激しく応援するので失速しないで頑張ってね!



Boo.jpg
JULIET LAWSON 「BOO」 (1972)
英SUNBEAM SBRCD5003 (CD/2005)
 
1 Dear Fool
2 Igloo
3 Nothing New
4 I Won't Get My Feet Wet Again
5 Who Is India ?
6 Let Me Not Put You Down
  7 Only A Week Away
  8 Playing Is No Song
  9
 You're So Right, September
 10 The Weeds In The Yard
 11 Rolling Back
 12 Frog In The Jam
 bonus tracks
 13 Dear Fool (demo)
 14 Who Is India ? (demo)
 15 Let Me Not Put You Down (demo)
 16 Playing Is No Song (demo)
 17 
You're So Right, September (demo)


以前から聴いてみたかった英国女性シンガー・ソング・ライター ジュリエット・ローソンの「ブー」。
「ブー」といえば古今東西 高木ブーかMr.ブー(もちろんインベーダー大作戦の方)ですが
本作を入手してから「ブー」といえばジュリエット・ローソンと答える体質になってしまいましたよ。
そんなアルバムをボーナス曲付きでCD化してくれてサンビーム社偉い!・・・と思っていたら
ストレンジ・デイズ社から更にボーナス曲の多い紙ジャケCDも出てしまいましたとさ!

収録曲は全曲ジュリエット・ローソン作で ピアノやギターを基調にしたシンプルな演奏に
たまにストリングスやドラムスやパーカッション類やサックスが入って彩りを与えてくれます。
これはフォークというより1972年というシンガー・ソング・ライターの時代を感じる音ですね。

彼女はアコギとピアノを演奏していますが 曲作りはピアノでしていたのでしょうかねぇ。
ピアノ系シンガー・ソング・ライターを聴くとたまに感じるのですが ピアノ系の人って
楽曲のメロディーやコード展開が複雑になりがちで何か曲が覚えられない場合が多いです。
彼女もちょっと曲が覚えにくく ピアノ系シンガー・ソング・ライターを感じる瞬間がありますね。

ヴォーカルは感情豊かに歌い上げて演劇的になる部分もあり サウンドは違うけれども
ナチュラル・アコースティック・バンドやケイト・ブッシュの系列でしょうか。
ただ高音になった時の声は美しくて良いし わかりやすいフォーク・ロック曲も入ってますよ。

まあCDに合わせて一緒に歌える楽しい作品では無いし 雰囲気がとても良いって事も無く
悪くはないけれど良いとも言えない作品なので「ブー」といえばジュリエット・ローソンと答える
体質になったというのは実はウソで・・・またウソをついてしまいました・・・やはり「ブー」といえば
今後100年くらいはMr.ブー(もちろんインベーダー大作戦の方)で決まりですね!

でもこーゆーのって ふっと何気なく聴いてみると あれ?これ良いぜ! となる事もあるので
今度ふっと何気なく聴いてみますかねぇ・・・と何気なく聴く宣言って全然何気なく無いけどね。
 



LazyFarmer.jpg LazyFarmerBack.jpg
LAZY FARMER 「LAZY FARMER」 (1975)
英SUNBEAM SBRCD5005 (CD/2005)
1 Lazy Farmer
2 Standing Down In New York Town
3 Railroad Boy
4 Soldier's Joy/Arkansas Traveller
5 Turtle Dove
6 John Lover's Gone
  7 Johnson Boys
  8 Love Song
  9
 The Cuckoo
 10 Sally In The Garden/Liberty

 11 Gipsy Davey
 12 When I Leave Berlin


このレイジー・ファーマーのオリジナルLPは1975年にドイツのみで発売されたという事で
スンゴいレアらしいけど そんな本作もサンビーム社がやっちゃいました。 CD化しちゃいました。

ウィズ・ジョーンズやC.O.B.のジョン・ビドウェルもメンバーに名を連ねる5人組で
ギターを抱えてパイプを吹かすのんびり農夫の絵のジャケットと 楽器を持って歩くメンバーの
裏ジャケットがレイジー・ファーマーというグループ名にバッチリ合っていて素敵ですねぇ。

ドラムレスでエレクトリック楽器は入らないアコースティック楽器のみの編成になっていて
メンバーの内2人の担当楽器がバンジョーなので どの曲もバンジョーが入りのどかに響きます。
このサウンドののどかさもレイジー・ファーマーのグループ名に又もやバッチリ合っていますよ。
収録曲はトラッド曲が中心ですが バンジョーがのどかに響く曲が多いおかげで暗くて厳しい
体罰系の英国トラッド・アルバムという感じが無くマウンテン・ミュージック風にも聴こえますね。

また体罰系トラッドを感じさせない要因として数曲入った非トラッド曲が効いているのもあります。
作者ヴァージョンは「Not Till Tomorrow」というアルバムに収録のラルフ・マクテル作の2曲目や
ウィズ・ジョーンズ作の12曲目が哀愁のバンジョー・フォークになっていて効いているのです。

ヴォーカルもこーゆー農村系トラッドにありがちな そこら辺のオヤジが酔った勢いで
歌っている風では無く 優しげなハーモニーで聴かせる曲が多く良い雰囲気ですよ。
バンジョーの他ほぼ全編に(たぶん木製の)フルートも入り大活躍しているのもポイント高いし
ビシビシと緊張感漂うエレクトリック・トラッドに疲れたらレイジー・ファーマーを聴きましょう。
聴いている間 時間を止めてくれる「お昼寝トラッド」になっていますよー。
 



WomanFromTheWarmGrass.jpg WomanFromTheWarmGrassBack.jpg
ROBIN SCOTT 「WOMAN FROM THE WARM GRASS」 (1969)
英SUNBEAM SBRCD5009 (CD/2006)
1 The Sailor
2 Song Of The Sun
3 The Sound Of Rain
4 Penelope
5 The Day Begins
6 Woman From The Warm Grass
  7 I Am Your Suitcase Lover
  8 Mara's Supper
  9 Point Of Leaving
 10
 The Purple Cadger
 bonus track

 11 Tattooed Lady


この人は1970年代後半に「M」名義で「ポッ・ポッ・ポップ・ミュージック」の「Pop Muzik」を
ヒットさせた人で ロビン・スコット名義では本作が唯一のアルバムとの事です。
いやぁ これが近未来派エレ・ポップの「Pop Muzik」からは想像もできない
アンダーグラウンド感漂うアクの強さのあるフォーク〜フォーク・ロックで構成されていて
更にプロデュースがサンディ・ロバートソンなので英国臭も放ち そりゃー激しく良いです。

アクの強いフォーク〜フォーク・ロック曲っていうのは サウンドはそれ程特殊でも無く
1960年代末らしいサイケ感も滲み出して アシッド・フォークとも言える音なのですが
この作品からは独特の凄みが放たれていて 聴く者グイグイと引き込む魔力があります。
英国フォーク系で言うと ロイ・ハーパーやマイク・スティーヴンスにも同系列の凄みがあり
彼らも何だか知らないけれど聴いているとグイグイと引き込まれてしまうシリーズですねぇ。

ほのかにストリングスが入る哀しげな室内楽フォークの3曲目や8曲目あたりで英国臭が香り
ペダル・スティールが入るフォーク・ロック曲7曲目も心地良いサウンドのはずが
アクの強さ処理されていて 何だか知らないけれど凄い!と思わずにはいられません。

最後のボーナス曲の11曲目はなぜか女性ヴォーカルがメインに歌っています。
裏ジャケの女性が歌っているのでしょうか? ロビン・スコットの作品なのに他の人が
歌っている事もボーナス曲ながら何だか知らないけれど凄い!と思わずにはいられません。
いやこの曲は実はロビン・スコットが女性っぽい声で歌ってみせているのかもね。

なお本作のブックレットの文章はロビン・スコット本人が書いていて
そこら辺も何だか知らないけれど凄い!と思わずにはいられない事になっていますよ!
 



TaleSpin.jpg
THE STORY 「TALE SPIN」 (2005)
英SUNBEAM SBRCD5010 (CD)
1 The Story
2 Hope And Pray
3 Roll Of The Dice
4 Down To The Trees
 5 Windmills
 6 Walking The Wall

 7 Anyway
 8 Strange World
  9 Winterborn
 10 All Around Me
 11 Between The Lines


これは再発では無く新録もの。 3人組の英国ヒッピー・フォーク「フォレスト」の内のひとり
マーティン・ウェルハム(読み方適当シリーズ)が息子と2人で作った新グループです。
一応これがデビュー・アルバムという事になっているようですが これのちょっと前に
米国の「Whysp」とのスプリット・アルバム「The Dawn Is Crouned」がLPのみで出ていました。

「Whysp」とのスプリット・アルバムが出ている事で 近年流行の 昔のフォーク芸人の復活劇や
フリー・フォークの静かな盛り上がりに呼応した便乗商法にも思えてしまいますが
聴いてみたかったので購入してしまいました。 (スプリット・アルバムも買ってしまった・・・。)

実際ジャケット裏の説明文には デヴェンドラ・バンハート ジョアンナ・ニューサム エスパーズ
ドノヴァン インクレ COB ヴァシュティ のファンにオススメ・・・みたいな事が書いてあり
こんな説明文がついている事自体 正に便乗商法としか思えないし それでもそのテの
音楽だと思わず購入してしまうお馬鹿なカモ狙い商法ですね・・・僕もカモられたぜ!

収録曲はマーティン・ウェルハム作が3曲 息子のトム作が6曲 2人の共作が2曲となっていて
どちら作の曲がどうといった決定的な特徴も無く トロトロと流れるフォーク・ソングの連発です。
穏やかな演奏も良いし 優しげなヴォーカル・ハーモニーもまた良い感じではあるので
これでもっと素直なメロディーがあればすーっと耳に入ってくるのに・・・おしいなぁ。

うーん こーゆーのって無理矢理アシッド・フォークと言って喜んでいればそれで済みますが
何か決定的な1曲が見当たらないし 同じダラダラ・フォークのインクレなんかと比べると
とっぴょうしもない変な所が無いのでインクレ的な変さと妖しさで何か凄い!ともなりません。

これは繰り返ししつこく聴いたとしても 今後僕の中で名盤の仲間入りはしないと思うなぁ。
それでもこのヴォーカル・ハーモニーはやっぱり心地良い響きがあるので 日曜の午後の
ひとときにダラダラとお昼寝のBGMとして流しておけば有効だね。 よし 流すぞ!
 



Me.jpg MeBack.jpg
MARY-ANNE PATERSON 「ME」 (1970)
英SUNBEAM SBRCD5011 (CD/2006)
1 Love Has Gone
2 Coulter's Candy
3 The Jute Mill Song
4 The Gentleman Soldier
5 Black Girl
  6 Wandering So Far
  7 Come All Ye Fair And Tender Maidens
  8 Candyman
  9
 The Water Is Wide
 10 Hallowed Be Thy Name
 11 Reverie For Roslyn


ジャケットの顔つきは何か南米の山岳地帯のババア風味で英国フォークを感じさせない
事になっているけれど このメリー・アン・パターソンはスコットランド出身との事です。
何でこの写真を使ったのでしょうねぇ。 内容が良いだけにジャケットで損をしていますよ。

収録曲の多くはトラッドでアコギの弾き語りに程よくフルートやパーカッション類が入り
道端に咲く名もなき花が放つ真の美しさの如くな彼女の歌声が美しく響くのです。
ほとんどトラッド曲といっても可愛らしいメロディーを持った曲が多くて暗く重苦しさが漂う
ディープな英国トラッドな感じでは無いので すーっとメロディーが耳に入ってきますね。

そんな中 間奏でフルートがスーパー大爆発し メリー・アンも変態的なスキャットで応酬し
ケイオスな空間が広がる5曲目は アルバムの中でも浮いている異色曲だけれども
これは凄いなぁ。 ちっきしょー最高だぜ! 是非1度は耳にしておきたい名曲です。 

更に次の6曲目が抑揚の無いメロディーを持った非トラッド曲でフルートが妖しく泳ぎまくり
聴いているとじわじわとサイケデリックな感覚に巻き込まれて行くケイオス・フォーク!

いやぁこの2曲のケイオス系も その他の可愛らしい曲もホント良いなぁ。
こーゆーアルバムとの出会いがあるから英国レア・フォークはやめられないのです。
まだ未CD化で聴いた事の無い英国フォークもゴロゴロある訳だし
あれとか これとかも ホントCD化を頼みますよ サンビームさん!
 



UponVelveatur.jpg UponVelveaturBack.jpg
ROGER RODIER 「UPON VELVEATUR」 (1972)
英SUNBEAM SBRCD5012 (CD/2006)
1 Listen To These Chords I Play (Celeste)
2 My Spirit's Calling
3 Am I Supposed To Let It By Again ? (Above The Covers)
4 The Key
5 While My Castle's Burning
6 You Don't Know What It's Like
7 Just Fine
8 Let's See Some Happyness
  bonus tracks
  9
 Easy Song
 10 L'Herbe

 11 Tu Viendras
 12 Have You ?
 13 Overseer


このアルバムは英国フォークものでは無く ジャケットに写るガイコツ顔のロジャー・ロディアー
(読み方適当シリーズ)はフレンチ・カナディアンさんで これが彼の唯一のアルバムのようです。

本作はアシッド・フォーク業界では以前から適度に有名な作品だったようで 僕もこのジャケットは
以前どこかで見た記憶がありました。 てな訳でけっこうドロドロとした暗いフォークだろうなぁと
勝手に想像していたのですが 聴いてびっくり これは素晴らしいぃー! 名盤だぁー!

多くの曲はドラムスやベースやエレキ・ギターやキーボードなどが程良く入り
ストリングスも被さっちゃうアコースティックな響きのあるフォーク・ロック曲でけっこう聴きやすく
この音をアシッド・フォークと呼んでいいかどうかはビミョーなところなのですが
顔に似合わず(失礼!)線の細い甘ったるい歌声に儚さが漂い夢心地にさせてくれるのです。

1 4 6 7曲目あたりの穏やかなフォーク・ロック曲の儚さの漂い方がどうしようもなく素晴らしく
ガシャガシャ・アコギに鋭いエレキ・ギターとストリングスが被さりヴォーカルも悲痛に叫ぶ
ドラムレスの正統派アシッド・フォーク・サウンド(なのでしょうか?)の5曲目なんてのもあります。
何か1曲目はマグナ・カルタを思わせるし英国フォーク・ロックが好きな人もイケる内容ですよ!

ロジャー・ロディアーがフレンチ・カナディアンさんなのを証明するようにボーナス曲では
(たぶん)フランス語の曲も入っていますねぇ。 このボーナス曲も本編と変わる事無く
儚さが漂ってスンバラシーですねぇ。 骨格と声は比例(?)しているという話もあるし
ガイコツ顔の人は全員こんな甘ったるい歌声なのでしょう。 今後ガイコツ顔には要注意ですね。
 



TheLegendaryMe.jpg
WIZZ JONES 「THE LEGENDARY ME」 (1970)
英SUNBEAM SBRCD5015 (CD/2006)
1 See How The Time Is Flying
2 Willie Moor
3 The Legendary Me
4 When I Cease To Care
5 Nobody Told You So
6 Beggar Man
7 Keep Your Lamp
  Trimmed And Burning
  8 Dazzling Stranger
  9
 If Only I'd Known
 10 Slow Down To My Speed
 11 Stick A Little Label On It

 bonus tracks
 12 Sisters Of Mercy
 13 Glory Of Love
 14 Needle Of Death


レイジー・ファーマーの項でも登場したウィズ・ジョーンズ。 彼のアルバムは
レイジー・ファーマーを除けば今まで聴いた事が無くてこれが初めて聴くアルバムです。

彼はギターの達人でブリティッシュ・フォークの重要人物という事になっているし
色々なレヴューなどで彼を紹介する際はこのアルバムが取り上げられている事も多いので
これは聴いておかないとお話にならない必聴の名盤なんだろうという思いで購入しましたよ。

・・・と実際聴いたらこれは地味ですねぇ。 多少他の楽器が入る曲もあるけれども
基本路線は弾き語りのどフォークです。 何かヴォーカルもそこら辺のオヤジ度高く華が無い。
ギターの達人ぶりも そんなに凄いのかなぁ?と思わずにはいられないフツーな感じです。
ライブ音源のボーナス曲も地味にフォークしていてボーナス入りの有難さも伝わって来ません。

収録曲はアラン・タンブリッジ(誰だ?)という人の楽曲が多くを占める非トラッド作品ですが
うおぉー!と唸るような決定的な1曲も見つからないし・・・さあ どうしてくれようと
仕方なく何度か聴いていたら これが聴き込むごとにじわりと染みてくるじゃないですか!

このじわりと染みる感じは スピーカーから流れてくるウィズ・ジョーンズの歌声を肴に
週末の夜中にひとりでウイスキーでも飲みながら過ごしたい気分にさせてくれますねぇ。
まあ 僕はお子ちゃまなので酒は苦手で・・・特にウイスキーなんて苦くて不味いもんね!

でもあと10年くらい経ったらこのアルバムとウイスキーで酔っているかも。
そんな 今ピンと来なくても10年かけてじわりと名盤の仲間入りするようなアルバムです。
 



Mouseproof.jpg
G. F. FITZ-GERALD 「MOUSEPROOF」 (1970)
英SUNBEAM SBRCD5016 (CD/2006)
1 April Affair
2 New Lodger
3 Country Mouse
4 It Takes More Than A Clear Day To See It
5 May Four
  6 a) Ashes Of An Empire / b) The End
  7 Under And Over The Waterfall
  8 A Movement Lost In Twilight Stone
  9
 Political Machine
 10 Opal Pyrarmid Drifting Over Time


このおバカな猫の絵のジャケットもどこかで見た事があり その時の曖昧な記憶では
英国レア・フォークのアルバムだと記憶していたので 思わず購入してしまった1枚です。

しかーし! これはフォークじゃなかったよ・・・トホホ。 割と聴きやすいフォーク・ロック曲が
並ぶ前半はアコースティックな響きもあるし ペダル・スティールが入りカントリー・ロックする
3曲目など中々良いなぁと聴いていたのですが 後半になってアレレ?何だこりゃ?ですよ。

後半の6曲目以降は 1曲の中でコロコロと曲調が変わったり キング・クリムゾンの如き
アンサンブルを聴かせたり 宇宙サウンドなエフェクトも飛び出したりするプログレ度高い音。
こりゃープログレ嫌いの僕にとってはホント聴くのが辛いサウンドですよ。

またGF・フィッツジェラルドという人の個人名義の作品ですが曲によってヴォーカルが変わり
クレジットを見ると6曲目ではなぜかフェアポート・コンヴェンション〜トレイダー・ホーンの
ジュディ・ダイブル(!)がヴォーカルで参加しているし・・・彼は一体誰なんだ?状態です。
でもいちいち彼について調べないし ブックレットも読まない(読めない)けどね!

まあ収録時間が約33分なので後半部分を少々ガマンすれば最後まで聴き通す事が
ギリギリできる作品ではあります。 でもホント前半がけっこう良いだけに・・・もったいねー。
 



RainInTheLeaves.jpg RainInTheLeavesBack.jpg
MEIC STEVENS 「RAIN IN THE LEAVES : THE EPS, VOLUME 1」 (2006)
英SUNBEAM SBRCD5021 (CD)
1 Did I Dream ?
2 I Saw A Field
3 Yr Eryr a'r Golomen
4 Ble Mae'r Bore ?
5 Ond Dof Yn Ôl
6 Tryweryn
7 Cân Walter
8 Hwiangerdd Mihangel
9 Glaw yn y Dail
 10 Lan a Lawr
 11 Mwg
 12 Rhedaf i'r Mynydd
 13 Myfi yw'r Dechreuad
 14 Tyrd i Lawr i'r Ogof
 15 Mynd i Bala ar y Cwch Banana
 16 Nid y Fi yw'r Un i Ofyn Pam
 17 Mae Gennyf i Gariad
 18 Dim Ond Heddiw ddoe a Fory
 19 
Cân Mamgu


サンビーム社は子煩悩フォークことマイク・スティーヴンスの初期EPの編集盤も出しちゃいました。
なぜマイク・スティーヴンスが子煩悩フォークかというと「ラビリンス」という本の彼の紹介の項で
子供を抱いた彼の写真に「子煩悩な一面も見せるマイク・スティーヴンス」とコメントがつけられ
それを見てからマイク・スティーヴンスの事を子煩悩フォークと言う体質になってしまいました。

収録曲は1 2曲目が1965年のデビュー・シングルで 3〜6曲目が1968年のEP「Mike Stevens」
7〜10曲目が1968年のEP「Rhif 2」 11〜14曲目が1969年のEP「Mwg」
15〜19曲目が1970年のEP「Meic Stevens」からという出展になっています。

ブックレット裏にはこれらのEPのジャケット写真も載っていて そのジャケットを見ると
初期は「Meic Stevens」では無くて「Mike Stevens」名義で活動していたという事がわかります。
またブチッとノイズが入って明らかに盤起こしな曲もあるし EPのジャケット写真も
シールが貼られていたり落書きされていたりで音源とジャケットの蒐集の苦労が見受けられます。
それだけマイク・スティーヴンスの初期EPっていうのは鬼のようなレア盤なのでしょうね。

基本は弾き語りフォークでハーモニカも多く入り これは録音状態のせいかも知れないけれど
ギターの弾き方も英国らしい繊細さをあまり感じず ボブ・ディランにかなり似ているのですよ。
そしてロビン・スコットの項でも書きましたが彼の歌には何だか知らないけれど凄みが漂います。
中には優しげな感触の曲もありますが この凄みこそがマイク・スティーヴンスの魅力ですね。

15曲目以降の1970年の曲はパーカションやエレキ・ギター入りの曲もあり凄みが更に増し
ふむふむ 凄みが大爆発する1970年の大傑作アルバム「アウトランダー」に繋がる訳ですね。

とにかくウェールズのフォーク業界では要注意人物の彼ですが曲名でもわかる通り
1 2曲目以外はウェールズ語なので言葉の響きに違和感を感じる人もいるかもね。
言葉の響きをクリアした人はマイク・スティーヴンスの子煩悩フォークに身震いしましょう。

本作はアルバム・タイトルに「ボリューム1」ってついているので続編も期待できますね。
でもこーゆーのってけっこう続編が出ない場合もあるので・・・過剰な期待は禁物ですよ!



その他サンビーム社のCDレヴュー・・・CLIVE PALMER 「BANJOLAND」→第115号
 


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