9月ですよ! 秋ですよ! 当然トレンディーでヤングでイカしたキミやボクにとっては
音楽の秋なので凄い吸引力でレコードの臭いを嗅いだり ジャケットに印刷された
文字を一字一句逃さず読んだり・・・と色々やる事が多くて大変な季節ですが
トレンディーでヤングでイカしたキミやボクは ライブも見に行っちゃうもんね!

9月10日に新宿のアンチノックでイアン・マシューズ&アンディ・ロバーツを見て
9月17日に新宿のタワー・レコードでロディ・フレイムのインストア・ライブを見て
そして9月20日に渋谷のDUOでロディの本チャン・ライブを見て
トレンディーでヤングでイカしたボクは音楽の秋を堪能しましたよ。

で インストアと本チャン・ライブを見たロディ。 やっぱりロディはいいわぁー。
ロディにだったら抱かれてもいいと思いましたもん。
って事で彼のソロ名義のアルバム3枚を並べてみましたよ。
ロディはアズテック・カメラ時代では6枚出していますが
アズテック・カメラというバンドの作品だと言えるのは1stと2ndだけで
3rd以降はロディのソロ・プロジェクト色が強く 実質ソロ・アルバム的ではありますね。



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RODDY FRAME 「THE NORTH STAR」 (1998)

英INDEPENDIENTE ISOM 7LP (LP)
A1 Back To The One
 2 The North Star
 3 Here Comes The Ocean
 4 River Of Brightness
 5 Strings
 B1 Bigger Brighter Better
  2 Autumn Flower
  3 Reason For Living
  4 Sister Shadow
  5 Hymn To Grace


ソロ名義で発表した最初のアルバム。 ギター ベース キーボード ドラムスといった
ロック基本楽器を使用した飾り気の無いシンプルな音ながら アコースティックな響きで
ビートの効いた明るい曲を多く収録。 アズテック・カメラ時代に在籍していた大手の
weaからインディーズに移籍し音楽ビジネスの呪縛から解放されたれたかの如く
心機一転(だったのかな?)瑞々しさに溢れた作品になっていてこれは良いです。

A1 A2 B1 B3 B4 あたりのフォーク・ロック曲がホント瑞々しく響いて
特にB3〜B4のロディ節が炸裂する流れは盛り上がらずにはいられませんよ。
8分の6拍子で迫る大らかで切ないA4がまた胸を締めつけられる名曲だし
最後のB5はアコギの弾き語りでしっとりと幕を閉じるという得意のパターンになっています。

このアルバムは21世紀の耳にも耐えられる聴きやすいフォーク・ロック曲が並んでいるし
ツヤのあるロディの魅力的な歌声も堪能でき これからアズテック・カメラ〜ロディ・フレイムを
聴いてみようかなーと思っている人には全アルバム中最もオススメできる作品ですね。
そう 名盤とされるアズテック・カメラの1st「ハイ・ランド・ハード・レイン」は1980年代な
ダメダメなシンセ・ドラムとか使っていてちょっと今の耳にはキツそうだからねぇ。

ただ この「ノース・スター」は大人の鑑賞に堪えられるギター・ポップという感じの音なので
いわゆるネオ・アコースティックと呼ばれていた音を聴いてみたいという人は
あの時代の空気がギュッと閉じ込められた「ハイ・ランド・ハード・レイン」を聴きましょう。
というか全アルバム聴きましょう。 全部聴くと えっ?これがネオ・アコースティックの
代表格のアズテック・カメラなの?なーんてアルバムばっかりで びっくりですから。
 



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RODDY FRAME 「SURF」 (2002)

独MARINA MA55 (LP)
A1 Over You
 2 Surf
 3 Small World
 4 I Can't Start Now
 5 Abloom
 6 Tough
 B1 Big Ben
  2 High Class Music
  3 Turning The World Around
  4 Mixed Up Love
  5 For What It Was


こちらのアルバムは第60号でレヴュー済みです。
全編アコギの弾き語りなのでディープなフォーク・アルバムとして響いてもおかしくないですが
なぜかディープなフォーク・アルバムといった印象は受けない不思議な作品になっています。
アメリカンを感じさせるカントリーやブルース臭は無く かといって英国を感じさせるトラッド臭も無く
あえて何臭があるかといえばロディ臭がプーンと香ります。 そのロディ臭って何だ?と考えると
素直なようで複雑なメロディーがおしゃれに迫る都市型の楽曲がロディ臭なのです。

まあ 激しくギターをかき鳴らす曲は無く 全編穏やかにゆったりと展開するので
聴く人によってはかったるく響いてしまうかも知れないので注意が必要な作品ではありますね。
 



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RODDY FRAME 「WESTERN SKIES」 (2006)

独TUITION TIN 00901 (LP)
A1 Western Skies
 2 The Coast
 3 Marble Arch
 4 She Wolf
 5 Tell The Truth
 B1 Rock God
  2 Day Of Reckoning
  3 Shore Song
  4 Dry Land
  5 Worlds In Worlds
  6 Portastudio


ロディの2006年の最新アルバム「ウエスタン・スカイズ」はドラムスやベースも入るけれども
アコギの弾き語りだった前作「サーフ」からの流れを感じる隙間の多い音になっています。

A面はやたら渋くて暗さも漂い A4なんてスライド・ギターが入るロディ初(?)のブルースだし
何じゃ?このロディらしくないアルバムは!と最初聴いた時は戸惑ったけれど4〜5回聴いたら
前作以上にヴォーカルの色気みたいな物が増している事に気付き 良く響き出しましたねぇ。

B面になると明るい表情の曲が多くなりますが B3 B4 は弾き語りだし別に明るくないかな?
少年時代に熱中していたグラム・ロックの事を歌ったフォーク・ロック曲B1はデヴィッド・ボウイの
「スターマン」と「スペース・オデティ」の香りをうまーく盛り込み「サーンキュ・フォ・ザ・スター」って
サビのフレーズも印象的で ロディの天才的な曲作りを堪能できる1曲になっています。

ロディにとっての「ロック・ゴッド」はデヴィッドボウイやT・レックスなんだろうけど
アズテック・カメラやオレンジ・ジュースやペイル・ファウンテンズなどの
ネオ・アコースティックと呼ばれた音楽に何かを感じ取って自分の生き方の方向性が
決まった人も多そうだよね。 そんな人にとってはロディ自身が「ロック・ゴッド」ですね。

「ノース・スター」に入っていた「シスター・シャドウ」にどことなく似ているB2もかーなり良いし
ロディらしいメロディー・ラインがふんだんに散りばめられたB5で 出たぁー!これぞロディ節!
最後のB6は明るい表情のフォーク・ロックだけどブツリと切れる感じの終わり方でこれは何か変。

しかしB1はホント良いなぁ。 2005年のサマー・ソニックのステージでも歌い その時から僕は
この曲はやくレコード化されないかなぁと新作を待ち望んでいて 本作でやっと聴けた訳です。
「ロック・ゴッド」・・・今後ロディの代表曲のひとつとなって行きそうな風格のある名曲ですね。

ちなみに2005年のサマー・ソニックはロディ〜ティーンエイジ・ファンクラブ〜再結成ラーズが
同じステージに登場するという夢のようなラインナップで スーパー大興奮しまくったし
21世紀のUKロックの代表格オアシスも(ついでに)見る事ができて良かったー。
CDやLPで聴くのとはまた違う楽しみがあって いやぁライブって良いモンですねぇ。
 


 
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で これが今回のライブのチラシですが まず9月17日に新宿のタワー・レコードで行われた
インストアにも触れておかないと。 「ウエスタン・スカイズ」から2曲 アズテック・カメラ時代の
曲を2曲と ホントに短時間のミニ・ライブでしたがこれがびっくりする程良かったのです。

照明の暗いライブ会場とは違ってステージ上のロディと観客が同じ明るい照明の中にいて
観客に微笑みかけるその表情がはっきりと見られて 「ウエスタン・スカイズ」のジャケットでは
ああロディも老けたなぁと感じたけど どーしてどーして この照明の中で見ると若々しい!
40歳を過ぎても腹も出ていないスタイルも良く ロディは幾つになってもネオアコ王子です。

ライブ終了後のサイン&握手会では見た感じ100人以上並んでいたんじゃないかな。
ネオアコ世代とは思えない若い女の子がロディと握手して泣いていたりもしましたねぇ。
・・・そりゃー当然です。 ロディに微笑みかけられて泣くなと言う方が難しいですよ! 
僕も微笑みかけられた日にゃー抱かれてもいい!・・・いや抱かれたい!と思いますもん。
とにかくこのインストアはタダで見られたのもあるけど 何だか大人気で凄い良かったです。 


渋谷のDUOのライブは2005年のサマー・ソニックの時と同じく全編1人で弾き語りで
20曲くらいで約90分演奏してくれました。 当日券も出てたし 客の入りはまずまずかな。

しかし弦を押さえる左手をほとんど見ないギターの演奏はホント上手かったぁー。
スロー〜ミディアム・テンポのじっくりと聴かせる曲が多かった選曲からいくと
このギターの上手さが無かったら90分も弾き語りでもたないよなぁ。
・・・と ロディの色っぽいツヤのある歌声と 上手いギターをたっぷり楽しめましたよ。

当然盛り上がらずにはいられない「The Boy Wonders」では間奏のテケテケの
単音弾きが最高にダサかっこ良くて 最後の「ハイ!ランド!ハード!レイン!」の
合いの手の大合唱(?)は僕も大声で叫ばせていただきました。 盛り上がったよー。
こーゆー曲があると会場内が一体感に包まれ これはライブならではの良さですよねぇ。

新作で僕の一番のお気に入りの名曲「ロック・ゴッド」では12弦ギターに持ち替えて
その少々メタリックなギターの音色もジギー時代のボウイを感じました。 やはり名曲!

ただ「ウエスタン・スカイズ」からの曲が増えたものの 選曲はサマー・ソニックの時と
ほぼ同じで 強力なサプライズはありませんでしたねぇ。 もし次の来日公演があっても
この弾き語りスタイルで 選曲も似通っているのなら もういいかなーとも感じたりして。
ロディにだったら抱かれてもいい!とまで言って おいおいそれはないだろう的ですが
是非 次回はバンド形式で見てみたいですね。 夜露死苦! ロディ!
でも次のアルバム&来日公演はまた4年後になっちゃうのかなぁ・・・まあ 待ちますよっ!
 


LiveAtRonnieScotts.jpg

RODDY FRAME 「LIVE AT RONNIE SCOTT'S」 (2005)

no label no number (CD)
1 Abloom
2 Small World
3 Dry Land
4 Your Smile Has Stopped The Hands Of Time
5 Stray
6 Black Lucia
7 Bigger Brighter Better
8 Over You
  9 Tough
 10 Rock God
 11 Hymn To Grace
 12 Surf
 13 The Bugle Sounds Again
 14 The Boy Wonders
 15 Down The Dip
 16 Birth Of The True


で最後にもう一枚。 ライブ会場の購買部(?)で2000円ポッキリで販売していた
全編弾き語りのライブ盤CDです。 2005年5月29日のライブの模様を収録です。

このCDの選曲は今回の来日公演に近いモノがあるので これを聴いていると
実際に今回観たライブを思い出してしまう「思い出商法」という新たな商売ですね。

一般流通はしていないCDですがロディのオフィシャル・サイト(もちろん英語です)
の購買部(?)で購入できるようなので 気になる人は激しく検索してみて下さい。
 


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