引越し業務があったため暫く音楽ソフト未購入で過ごしておりました。
近年稀にみる長期間音楽ソフト未購入となれば 最近あまり聴いていなかったヤツの
聴き返し作戦となるのですが そんな中聴いたイーダちゃんはやっぱり良かったなぁ。
彼女の幾つになっても甘えんぼな歌声が耳に入ってくると・・・あーん とろけちゃうー。
てな訳でイーダを書こうと思ったのですが彼女はアルバムは2枚しか出していないし
2ndは以前書いたしなぁ・・・仕方ないのでシングルやEPも並べてみました。
しかし1stからもう10年以上経っているのですねぇ。 時の経つのは早いモンです。
・・・としみじみしてしまいました。 それにしても彼女は今何しているのでしょうね。



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IDHA OVELIUS 「MELODY INN」 (1994)
英CREATION CRELP 160 (LP)
A1 High Over Hollywood
 2 Red Ballon
 3 From Me To You
 4 More Love
 5 Another Door
 B1 All My Loving
  2 Hickory Wind
  3 Get Undressed
  4 Safe At Home
  5 Music Carries On


英国フォーク〜ロックのヤバいアルバムが沢山載っている本「ラビリンス」おいて
イーダちゃんは「女ロニー・レイン」「女コリン・ヘア」という名称をいただいていますねぇ。
今でこそ僕も1970年代英国シンガー・ソング・ライターも激しく聴く身になったけれど
この1stアルバムを購入した当時はロニー・レーンやコリン・ヘアといったあたりの
芸人さんの名前を聞いてもはぁー?ってなモンでそっち方面は全然詳しくなかったですよ。

当時の僕の購入理由はレーベルがクリエイション&ジャケットがそそるとゆーのもあったけど
最大の購入理由はレコード屋の解説文に内容はカントリー・ロックって書いてあって
グラム・パーソンズ在籍期のバーズのカバーB2が入っていたので購入してみたのです。

いや実は別に購入しなくてもよかったのだけど この日は他に何も目ぼしい物が無くて
せっかく渋谷まで出てきたのに何も購入せずに帰るのも何かなぁという気分だったので
何となく購入してみましたというのが実態で・・・と書いているうちに10年以上も前の
古い事柄を段々思い出してきましたよ。 購入店は渋谷のシスコでしたねぇ・・・しみじみ。

そんな経緯で何となく入手したけれど今となってはあなたに会えて良かった状態で
A1の出だしのハーモニカの音一発で名盤確定! 期待していたB2のカバーも
ペダル・スティールとマンドリンが穏やかな風のように流れて行くナイス・アレンジメント! 
以降彼女の作品はシングルも出たら買うというレベルのファンになってしまいましたよ。

全体的にカントリー・ロック風味をふりかけた穏やかなシンガー・ソング・ライター作品で
カントリー・ロックといってもブッ飛ばしのカッチョ良い系カントリー・ロックではありません。
アコースティックな響きでゆったりと心地良い曲の連発と 幾つになっても甘えんぼな
ヴォーカルの組み合わせはありそうで中々無いです。 という事で あーん とろけちゃうー。

ティム・ハーディンのA2 ジャニス・イアンのA3 バーズのB2とカバー曲をバランス良く
配置した構成もよろしいですねぇ。 B4の曲名はグラム・パーソンズがバーズ以前に
加入していたインターナショナル・サブマリン・バンドのアルバムのタイトルと同じで
この時期のイーダのグラム・パーソンズへの傾倒ぶりも伺えますね。
 



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IDHA
「GET UNDRESSED」 (1994)

英CREATION CRE 161T (12")
A1 Get Undressed
 2 Do Right By Me
B1 She
 2 Coming Down


こちらは1stアルバムの中でも屈指の名曲「ゲット・アンドレスド」の12インチ・シングルです。
A2以下の残り3曲もアルバム未収録曲ときたら またまた あーん とろけちゃうー。

A1はさりげないフォーク・ロック曲ながら1stアルバムの中でも最も軽快に弾む曲で
前奏と間奏ではマンドリンとプヒーってゆーハーモニカが印象的に響き
サビに入るとスモール・フェイシズ〜フェイシズのイアン・マクレガンのオルガンが活躍して
まるでロニー・レイン主導でやっているフェイシズ曲のようです。 「ラビリンス」における
「女ロニー・レイン」という名称はこの曲を聴くと納得していただけるんじゃないでしょうか。
そしてA2もA1と同じ路線のフォーク・ロック曲になっていますがA1にはかなわないなぁ。

B1はアコギを基調にドラムレスで淡々と進む曲で ドラムの代わりにタンバリンが入ります。 
ドラムレスなのでフォーク曲と言っちゃっても良いのだけれどオルガンも入るのが原因なのか
フォーク曲ですと断言できないビミョーな響きの曲でもありますねぇ。

B2は爆発しそうで爆発しないサイケ・ポップになっていて彼女の曲のなかでも異色です。
このB2はカバー曲なのか何なのか作者クレジットは「Byrd-Moskowitz」ってなっています。
「バード・モスコウィッツ」って誰だ?と疑問には思うのですが相変わらず調べたりしなので
疑問を抱えたまま 気になって気になって また今夜も眠れないじゃないですか。
まあ気になって眠れないからといっても やっぱり調べたりしないのだけどね!
 



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IDHA
「A WOMAN IN A MAN'S WORLD」 (1994)

英CREATION CRESCD 166 (CD'S)
1 Ooh La La
2 A Song For You
3 Willin'
4 Going To Mexico


この4曲入りのシングルCDがまた素晴らしい! 素晴らし過ぎです。
全曲カバーで全曲アルバム未収録。 そんな体制であればもちろん あーん とろけちゃうー。
もうとろけないとしたらどうしたらいいのでしょう。 どこをどう斬ってもとろけずにはいられません。

1曲目はロニー・レイン作のフェイシズの曲で ロニー・レインそのものをカバーしてしまって
「女ロニー・レイン」完結編ですねぇ。 相変わらずアコースティックな響きでマンドリンや
ハモンド・オルガンも入ります。 ここでのオルガンはクリエイションのレーベル・メイトの
ツルッパゲ・オヤジことタイムスのエドワード・ボールがクレジットされていますよ。

2曲目はグラム・パーソンズの2nd「GP」に入ってた名曲のカバー。 ホーンも入るアレンジが
華やかさを与えてくれてグラム・パーソンズ・ヴァージョンほどの絶望感は漂いません。
グラム・パーソンズはエミルー・ハリスとのデュエットで聴かせてくれていましたが
イーダもデュエットで迫り デュエットのお相手は「The Lonesome Cowboy」という人です。
「ザ・ロンサム・カウボーイ」って誰だ?と疑問に思い夜も眠れませんがやっぱり調べません。

3 4曲目は僕はオリジナルは知らないけれども3曲目はローエル・ジョージ作だそうです。
4曲目は作者クレジットが「S. Miller/B. Scaggs」なので知っている名前でスティーヴ・ミラーと
ボズ・スキャッグスの作だと勝手に思っていますが・・・果たして正しいのでしょうか。

3曲目は大らかに流れるフォーク・ロックで程よく切なくもあるメロディーが良いですねぇ。
4曲目はヴォーカルに軽くエフェクトもかかった米国南部サウンドなロケンロー。
こーゆーのはあまり好きな曲調では無いのだけれど間奏前にイーダちゃんが叫ぶ
「カモーン・ベーイヴ!」の合いの手で やっぱりとろけてしまいました。
 



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IDHA 「TROUBLEMAKER」 (1997)
英CREATION CRELP 184 (LP)
A1 Sorry Sorry
 2 Always Been With You
 3 Going Down South
 4 Still Alive
 5 Mercy Me
 A1 Sweet September Rain
  2 Me And Johnny
  3 Troublemaker
  4 Fields Of Avalon
  5 Just Moved In


イーダちゃんの2nd「トラブルメイカー」は第13号でレヴュー済み。
1stから脱カントリー・ロックをして もっとフツーのロック〜ポップス寄りの音になっています。
最初聴いた時から1stほどの衝撃は無かったですが 僕がイーダの全ての曲の中でも
最も好きな必殺の名曲A3を収録しているし これは購入当時激しく聴きまくりましたよ。

裏ジャケの開いた足から覗く内腿を眺めながら聴けば更に効果絶大 興奮最高潮で
あーん とろけちゃうーなのです。 山本監督に言わせたら「ほとんどビョーキ」ですねぇ。

この2ndも1stも中古LPは見かけないけれども 中古CDとなると日本盤 輸入盤とも
ゴロゴロ転がっていますね。 これはチャンスです! ダッシュで出動しましょう。
なお1stのCDにはLPに収録されていない「ストックホルム」という曲が入っていて
私はスゥエーデン出身なのよ!とアッピールしているようです。 この「ストックホルム」は
僕も聴いた事が無いので チャンスの今こそ僕もダッシュで出動しないといけませんね。
 



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IDHA
「SORRY SORRY」 (1997)

英CREATION CRESCD 205 (CD'S)
1 Sorry Sory
2 Hey Honey
3 Downtown


2nd「トラブルメイカー」からは3曲もシングル・カットされていて これはその第1弾。
「トラブルメイカー」は1stよりもポップでカラフルで大衆受けしそうな曲が詰まっていたので
3曲のシングル・カットという行為はシングル・ヒットも狙っていたのでしょうか。

1997年という時期は財政面が苦しかったと言われているクリエイション・レーベルの末期で
イーダでもう一発当てて起死回生!という狙いのシングル・カット連発だったのでしょうか。
しかし! プライマル・スクリーム・・・マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン・・・ブー・ラドリーズ・・・
ティーンエイジ・ファンクラブ・・・そしてオアシスなどヒット・シングル ヒット・アルバムとも
多数あり何発も当てていたというのに結局クリエイション・レーベルは閉鎖してしまいます。

表題曲はアルバムの冒頭を飾る切ないポップ・ソングで ちょっとカーペンターズの
「スーパースター」なんかを思わるマイナー調の美しいメロディーにグッときます。
アルバム未収の 2 3曲目はそれ程印象に残る曲では無いけれど適度にロックで
適度にポップで聴きやすいので とりあえず あーん とろけちゃうー と言っておきます。
 



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IDHA
「GOING DOWN SOUTH」 (1997)

英CREATION CRESCD 268 (CD'S)
1 Going Down South
2 Sweet 16
3 Fire In The Sky


「トラブルメイカー」からの第2弾シングルは名曲「ゴーイング・ダウン・サウス」です。

「ゴーイング・ダウン・サウス」はミディアム・テンポの大らかなメロディーの曲で
ストリングスやホーンも入り いやぁ盛り上がります。 あーん とろけちゃうー。
サビの「San Francisco is fine / Where are you going ?」ってフレーズがたまらなく
突き抜けるような青い空を思わせてくれ とても爽やかな気分にさせてくれますよ。
またこの爽やかさ故に 逆にふっと虚しさも感じ 思わず泣きそうにもなるのです。

2 3曲目はアルバム未収で 2曲目はポップ・ロック路線の軽快な曲です。
そして3曲目は1stアルバムに入っていても違和感の無いルーツ・ロック作品で
スライド・ギターが印象的に入ります。 イーダのいくつになっても甘えんぼな歌声は
どちらかというとポップス向きなので こーゆー渋い曲に彼女の歌声が乗っかると
他には無い特殊な汁がどこからか流れ出しますねぇ。 いわゆるイーダ汁です。
イーダを聴くという事は イーダ汁をすするとも言います・・・って何書いているのか
わからなくなってきましたが とにかく「ゴーイング・ダウン・サウス」は凄く良いです。
 



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IDHA
「SWEET SEPTEMBER RAIN」 (1997)

英CREATION CRESCD 274 (CD'S)
1 Sweet September Rain
2 Break Down And Cry
3 Going Down South (nov. 93 demo)


「トラブルメイカー」からの第3弾シングル「スゥイート・セプテンバー・レイン」です。

1曲目はおしゃれにスゥイングする3拍子のアコースティック・ポップ。
2曲目はピアノを基調に大らかに流れるフォーク・ロックで良いのだけど
メロディーに抑揚が無いので 来そうで来ないんだなぁ。 おしい!

最後の3曲目は「ゴーイング・ダウン・サウス」の1993年デモ・ヴァージョン!
1stアルバムと同じ時期にこの名曲もすでに出来上がっていたのですね。
ここでのヴァージョンはロック基本楽器によるシンプルなフォーク・ロックになっていて
アンディ・ベルの弾くギターがむせび泣き イーダ最後の曲として哀しく響きます。

ああ「ゴーイング・ダウン・サウス・1993年デモ」がイーダ最後の曲となってしまいました。
まあ今後突然復活するかも知れないのでこれで最後とは断定できないけれど
彼女は2020年くらいになったら1990年代半ばに一瞬だけ輝き消えていった
儚き芸人として 神格化されているかも知れませんねぇ。

まあ一瞬だけ輝いて消えていく一発屋の芸人もスンゴイ沢山いる訳だけど
イーダはその時々の流行の音で一発当てた芸人とは違い 時代を問わずに聴ける
オーソドックスな音なので10年後も20年後もフツーに聴けそうではありますよ。 
僕も2020年にイーダを聴いて「あーん とろけちゃうー」とか「イーダ汁をすする」とか
まだ言っているかしら? 2020年ともなれば僕もけっこうなクソジジイだろうから
加齢臭を放つのに忙しくて そんな事言っている暇はなさそうだなぁ。
 


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