英ウイチタ・レーベル(Wichita Recordings)は米国のエスパーズのアルバムを
LPで出して偉い!と思っていたら ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキの
エイロス・チャイルズのソロ・アルバムも出してしまって あまりにも偉すぎです。
その他ウイチタからリリースされている作品は音は聴いた事は無いけれど
あー何か名前は聞いた事あるなぁという人が多くて たぶん偉いので
ウイチタ・レーベルの動向には今後要注目ですよ。 なお「ウイチタ」という発音は
ローマ字読みの読み方適当シリーズなので そこはかとなく偉いはずです。



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EUROS CHILDS 「CHOPS」 (2006)
英WICHITA WEBB094LP (LP)
A1 Billy The Seagull
 2 Donkey Island
 3 Dawnsio Dros Y Môr
 4 Slip Slip Way
 5 Costa Rita
 6 Stella Is A Pigmy #1
 7 My Country Girl
 8 Circus Time
 B1 Cynhaeaf
  2 Hi Mewn Socasau
  3 Stella Is A Pigmy #2
  4 Surf Rage
  5 First Time I Saw You
  6 Stella Is A Pigmy #3


出たぁー肉ジャケ! そこはかとなく肉ジャケ! あにはからんや肉ジャケ!
このエイロス・チャイルズの初ソロ・アルバムはLPも発売されたのでLPで購入しました。

しかしCDよりジャケットがデカい事が嬉しいはずのLPで入手できたというのに
こんな肉ジャケじゃ嬉しさも半減ですねぇ。 これはジャケットでだいぶ損をしていますし
こんな肉ジャケじゃ店頭に並んでいてもエイロスくんを知らなければ中々手が出ませんよ。
・・・と言ってみたももの本当はこんな肉ジャケがLPで入手できてすっごく嬉しいんだけどね!

すっとぼけなエレ・ポップ風味の先行シングルA2を試聴した時点でアルバムの音も
同様かなぁと想像していましたが その通りでした。 そんな音に戸惑い最初聴いた時は
こりゃーダメだなぁと感じていたのですが何度か聴いていたら段々良く響いてきましたねぇ。
近年のフォーキーで美しく枯れたゴーキーズと比べて聴いてしまったのが良くなかったようで
初期のゴーキーズにあった変態性が戻っていて これは楽しいアルバムじゃないですか。

全体的に自宅でテキトーに録音した音源をそのまま収録しちゃったかの如くな
デモっぽい響きがあり 特にA1 4 6 7 B1 3 6 あたりは正にそんな感じですねぇ。
アコギを基調にしたカントリー風味のA7もありますがエイロスくんはキーボード弾きなので
ソロ・アルバムらしくキーボードやピアノがメインに登場するという体制になっています。

エレ・ポップ風味のA2とA5はスカスカでダサくもありますがポップでのどかで良いし
もしゴーキーズの「スリープ/ホリディ」に収録されていても違和感の無い
どこまでも美しくそして哀しい A8 B4 なんて曲もちゃんと収録されていますよ。
得意技のウェールズ語で歌われる曲もあり 押さえるところはちゃんと押さえています。
A8はミーガン・チャイルズのフィドルも入っているしゴーキーズそのものですね。

うん やっぱりウイチタ・レーベルは偉いね! もし本作がもっとヒドい内容だったとしても
エイロス・チャイルズの初ソロ作をLPでも出すという行為自体が激しく偉いので
やっぱりウイチタ・レーベルは偉いのです。 そこはかとなく偉いのです。

Gorky's Zygotic Mynci 10枚一挙紹介の大特集・・・第78号
 



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CLAP YOUR HANDS SAY YEAH 「CLAP YOUR HANDS SAY YEAH」 (2005)
英WICHITA WEBB099LP (LP)

A1 Clap Your Hands !
 2 Let The Cool Goddess Rust Away
 3 Over And Over Again (Lost And Found)
 4 Sunshine And Clouds (And Everything Proud)
 5 Details Of The War
 6 The Skin Of My Yellow Country Teeth
 7 Is This Love ?
 B1 Heavy Metal
  2 Blue Turning Gray
  3 In This Home On Ice
  4 Gimmie Some Salt
  5 Upon This Tidal Wave Of Young Blood


こちらは米国はニューヨークのバンド クラップ・ユア・ハンズ・セイ・イエーです。
このバンドは試聴してみたら面白い音だったのでLPがあったら購入してもいいかなぁ
と思っていたらそこにLPがあったので思わず購入してしまいましたよ。 
「そこに山があるから登る」と同じ論理で「そこにLPがあるから買う」ってゆーヤツです。

しかしエイロスくんの肉ジャケに負けず劣らず気持ち悪いくねくね人物の妖しいジャケットで
CDよりジャケットがデカい事が嬉しいはずのLPで購入できたけど嬉しさ半減ですねぇ。
でも本当はこんなくねくね人物ジャケがLPで入手できてすっごく嬉しいんだけどね!

このバンドはトーキング・ヘッズを引き合いに出されてて語られている事が多いようで
確かに少々ダンサンブルな音と痙攣気味のヴォーカルはデヴィッド・バーン風ですねぇ。
またバンド名が文章になっているところや 1曲目にバンドのテーマ曲(なのかな?)が
入っているという ふざけたところはゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツを思わせたりします。

ドンドコなドラムスの曲や ギターのカッティングの繰り返しで進む曲などを聴いていると
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドみたいだなぁーっていうのも感じるし
頻繁に裏返るカン高い歌声はテレヴィジョンのトム・ヴァーラインを感じる瞬間もあります。

・・・とニューヨークの先輩芸人たちの名前を挙げて知識をひけからしてみました。
もっと名前を挙げても良かったのですが あまりやるとボロが出るのでもうやめておきます。

しかしニューヨークのバンドって 米国のバンドなら意識しなくても思わず香ってしまう
カントリー臭やブルース臭が中々香らないですねぇ。 クラップ・ユア・ハンズ・セイ・イエーも
カントリー臭やブルース臭は無く「ニューヨークのバンド」を意識させてくれる音ですよ。
まあそーゆーニューヨークを感じる音をひとことで言うと「アート気取り」とも言うんだけどね!

クラップ・ユア・ハンズ・セイ・イエーは色々な要素が入っていて何とも形容し難い音ですが
使用楽器もロック基本楽器を使用しているし ちょっとひねくれたギター・バンドとしても
すんなんりと聴ける音ではあります。 だけどそこはかとなくアート気取りだけどね!
 



Espers.jpg EspersBack.jpg
ESPERS 「ESPERS」 (2003)
英WICHITA WEBB084LP (LP/2005)
 A1 Flowery Noontide
  2 Meadow
  3 Riding
  4 Voices
 B1 Hearts & Daggers
  2 Byss & Abyss
  3 Daughter
  4 Travel Mountains


米国のエスパーズのこの1stアルバムはずーっと米盤CDを聴いていたけど
2005年にLPも発売されたので発作的に購入してしまいました。 そうしたらそれが
英ウイチタ・レーベルだったのでウイチタを注目せざるを得ない事になったのです。

・・・と注目していると言ったけれどウイチタ・レーベルからの商品は今回登場させた
エイロスくん クラップ・ユア・ハンズ・セイ・イエー エスパーズ以外は所有していません。
つまり注目していると言っておきながら実質的には注目していないという事でもあります。

まあそんなあれもこれも手を出していたら金銭面が大ピンチになるというのもありますが
沢山購入しても聴く時間も無いもんなぁ。 ただでもエスパーズをLPで出したのは
とにかく偉いので実質的に注目していなくても注目はしています・・・って僕は一体
何が言いたいのでしょうか? 書いていて自分でもよくわかりません。

で 入手したエスパーズのLP。 音楽が良いとジャケットも良く見えてくるの法則というのも
ありますが それにつけてもこの図柄はデカいジャケットだと更に良く見えますねぇ。

そしてやはりCDで聴こうがLPで聴こうがエスパーズの放つ音は素晴らし過ぎです。
ゆったりとした曲調に 暗いけれど美しいメロディー。 虚ろに響く男女のヴォーカル。
基本のアコギのアルペジオの上に乗っかるフルートやリコーダーやオートハープや
フィドルやエレキ・ギターやその他色々な楽器が天才的なバランスで絡み
聴いていると音の中に溶けて行ってしまいそうになる その儚げな空気感は驚異的です。

音の中に溶けてしまいそう度でいくと僕は特にA4に参っていますが もちろん全曲最高で 
あぁー聴いているだけで死にそうです。 もうホント素晴らし過ぎ! 凄いよエスパーズ!
この大傑作アルバムをLPで出してくれるなんて どう考えてもウイチタは偉いです。
そこはかとなく あにはからんや 金輪際 得も言われぬ ウイチタは偉すぎです!

Espers 「Espers」 米Locust盤CDのレヴュー・・・第93号
 



TheWeedTree.jpg TheWeedTreeBack.jpg
ESPERS 「THE WEED TREE」 (2005)
米LOCUST MUSIC 73 (LP)
 A1 Rosemary Lane
  2 Tomorrow
  3 Black Is The Color
  4 Afraid
 B1 Blue Mountain
  2 Flaming Telepaths
  3 Dead King


エスパーズはあまりにも素晴らし過ぎるのでウイチタ・レーベル商品では無いけれども
もう1枚登場させてしまいました。 こちらは2005年作の2ndアルバムになります。

・・・と収録時間の長さからいけば2ndアルバムと言っていいのですがカタログ的には
これはEP扱いになっているようですね。 A1とA3がトラッド曲でB3がオリジナル曲。
残り4曲はカバー曲になっていて企画モノっぽい1枚ですがエスパーズの音が聴ければ
企画モノだろうが何だろうがもう何だって良いじゃないですか。 ああ良いじゃないですか。

音は1st同様 基本のアコギのアルペジオにその他の楽器が時に美しく時に妖しく絡む
エスパーズ・サウンドと言える音になっていて カバー曲でさえもまるでエスパーズの
オリジナル曲の如くの響きで 様々な風景を想起させてくれる傑作になっています。

またトラッド曲が入った事によって1stではあまり香らなかったトラッド臭も香り
エスパーズを知らない人に「これは1976年に自主盤で数枚しか流通しなかった
英国レア・フォークの発掘盤だ!」と言っても信じてしまうような恐るべき内容ですよ!

カバーの4曲は A2がドルッティ・コラム A4がニコ B1がマイケル・ハーレイ(って誰?)
B2がブルー・オイスター・カルトの曲になっています。・・・とまるでこれらの原曲を
知っているかのように書いていますが全部原曲は聴いた事がありませんからね!

グロッケンスピールとストリングスと笛が入るA4は必殺の子守唄フォーク。
こんな子守唄で眠ってしまった日にゃーもう2度と永遠の眠りから覚めそうに無いです。
そしてドラムス入りで 後半エレキ・ギターが暴れてじわりとサイケに迫って
最も1stの音に近いB3が本作のハイライトではないでしょうか。 いやぁ全曲良い!

1stではエスパーズのメンバーは3人のクレジットでしたが本作では6人になっていて
新たにメンバー入りした内のひとり オットー・ハウザー(読み方適当です。)は
ヴァシュティ・バニヤン様の35年ぶりの2nd「ルックアフタリング」にも絶賛参加中だし
そーいった方面からもエスパーズはそこはかとなく凄いとしか言いようがありません。

このエスパーズのアルバムはウイチタ・レーベルは関係無いので話を戻すと
他にウイチタ・レーベルからリリースのある芸人さんはブライト・アイズ クリブス
ハー・スペース・ホリディ ブレイヴ・キャプテン マイ・モーニング・ジャケット などです。
・・・と名前を聞いた事があるバンドを挙げてみましたが今後このバンドたちに
手を出すかどうかは そこはかとなく疑問です。 そんなに沢山手を出せないよ・・・
 


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