その昔チンペイが言ってたね。 3人組って2人と1人に分かれる傾向があって
ベーヤンとキンチャンが一緒に行動して僕はカヤの外が多いって言ってたね。
ふむふむ これは3人組よりも2人組の方が上手くいくって事と理解したね。
・・・って本当にチンペイが言っていたかどうかうろ覚えだけど関係ねー!
よーし! 仕方ないので英国フォークの2人組を登場させてみますかね。
ところで全然関係ないけど「良い子・悪い子・普通の子」ってゆーヤツは
「天才・秀才・バカ」を真似て家族で楽しめるバージョンにアレンジしただけだね。
この点から見ても僕にとってのキンチャンは萩本欽一ではなく矢沢透さんなのです。



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THOUGHTS & WORDS 「THOUGHTS & WORDS」 (1969)
英 RADIOACTIVE RRCD086 (CD/2005)

1 Morning Sky
2 And The Tears Fall Like Rain
3 Friends
4 Back In 1939
5 Today Has Come
6 Give Me A Reason
  7 Go Out And Find The Sun
  8 Seven Years
  9 Father And Son
 10 Lifetime
 11 Annette
 12 Vision
 13 Charlie Gates


英レディオアクティブ社はここ2〜3年で激しく激しくレア盤の再発をしまくっていて
レコード屋のCD棚にはレディオアクティブ社製品がズラーッと並んでいたりしますよ。
でも何かどれもオリジナルLPはレアなんだろうけど内容は大した事無さそうで
レディオアクティブ社製品を見る度 又レディオアクティブか・・・けっ!ってな気分です。

しかーし! この英国フォーキー・デュオのソーツ&ワーズはホント素晴らしい!
葉の落ちた枝の向こうに佇む2人のジャケットだけでも名盤を思わす雰囲気があるし
出てくる音もストリングスや管楽器などが被さるドラムレスの室内楽風フォーク曲と
ドラムスやベースも入った軽快なフォーク・ロック曲が同居するナイスな内容で
どの曲もメロディーが覚えやすくてポップさもあるという強力な作品です。

収録曲の大半を占める室内楽風フォーク曲は1960年代を引きずった感じの
ちょっと爆裂気味な音なので1970年代の儚く美しい繊細な音とは感触が違います。
しかし その感触の違いを差し引いても どの曲も良いんだなぁ これが。
可愛らしいリコーダーが入りアメイジング・ブロンデルを思わせる10曲目なんて
かーなりの絶品フォークになっていて滅茶苦茶良いですよー。

時折プヒーってハーモニカも入り土臭さも漂うし 転がるピアノとハーモニカが入り
大らかに流れるフォーク・ロックの5曲目は ふっとコリン・ヘアの死ぬほど名曲
「Just Like Me」を思わせたりして・・・聴くたび発見のあるアルバムですねぇ。

2人のヴォーカル・ハーモニーもクセが無くて聴きやすいところも良いし
何と言っても楽曲のメロディーの良さがあり ズバリ!捨て曲はありません。
うん キミ達2人組で正解です。 チンペイの話をちゃんと聞いてよくやった! 偉い! 
 



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BREAD, LOVE AND DREAMS 「AMARYLLIS」 (1971)
日 E.R.C. BRC-29204 (CD/1991)

1 Amaryllis
  part1. Out Of The Darkness Into The Light
  part2. Zoroaster's Prophecy
  part3. Light
 2 Time's The Thief
 3 My Stair-Cupboard At 3 A.M.
 4 Brother John
 5 Circle Of The Night


ブレッド・ラブ&ドリームスの3rd「アマリリス」。 プログレッシヴ・フォークの傑作です。
1曲目が組曲形式なのでプログレッシヴ・フォーク度も高くなっているのですが
プログレ色は当時の流行りって事で そんな事を意識せず聴いても素晴らしいです。

彼らは1stアルバムでは男性1人女性2人の3人組だったのだけど
しっかりとチンペイの言いつけを守って2ndからは男女の2人組になりました。
しかし2人組になってジャケットも怪しくなりジャケットから音楽の内容が読み取れねー。
本作のジャケットには キノコ人間に ティラノザウルスに ノイズの入ったテレビ画面に
飛行機に 黒いシミ・・・とちょっと意味不明。 これ文明批判か何かでしょうかねぇ。 

1曲目の出だしのインストが不安を煽る怪しげな響きがあってイヤーな感じですが
そのインスト部分が終わると男女のヴォーカルで聴かせる美しいフォークに変わります。
この組曲形式の1曲目は途中でロックっぽいパートも登場しますが 基本はフォークで
ちょっと不安定な男性ヴォーカルと美しい女性ヴォーカルの絡みが虚ろで儚く良いですね。

2曲目以降も素晴らしくて ピアノを基調に聴かせる2曲目の優しげな感触が良いし
ゲストで参加のダニー・トンプソンのダブル・ベースがブンブン唸る3曲目もたまりません。
陰影のあるメロディーにプーンと英国臭漂う4曲目は女性ヴォーカルがメインに歌い
抑揚の無いメロディーの繰り返しがじわりとサイケデリックな5曲目で幕を閉じます。

楽曲のメロディーも覚えやすい曲が多いし ギター1本のどフォークでも無いし
トラッド色も無いので聴きやすい内容だとは思いますが 全体に流れる虚ろで怪しげな
雰囲気に好き嫌いが分かれそうではあります。 この雰囲気・・・チンペイは嫌いかもね。

1st「Bread Love And Dreams」のレヴュー・・・第43号
 



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WATERFALL 「THE FLIGHT OF THE DAY」 (1977)
英 ENGLISH GARDEN ENG 1019 (CD/1997)

1 To A Blindman
2 Anniversary Song
3 For You
4 Sylvia
5 And For You
6 Rainbow Lady
7 Lonely
  8 Little Man
  9 medley:
    Lament For Her Leaving
    Sunday Is My Wedding Day
    Rakish Paddy
    The Mountain Road
 10 Princess Star


穏かで優しげで瑞々しい英国フォークの大傑作ウォーターフォールの1stです。
裏ジャケの写真でもわかるようにギター&フィドルをメインに使った2人組ですが
彼らはこの1st以降はチンペイの言いつけを破ってもう1人メンバーを補充し
3人組になってしまったようです。 しかし2nd以降は聴いた事が無いので
3人組になってダメになったかどーかはわかりません。 確認のために是非
どこかのレーベルさん! 2nd以降もCD化してくれないかなぁ。 ああ聴いてみてぇー。

9曲目のインスト・メドレーはトラッド色強いですがその他の曲にトラッド色は無く
初夏の優しい風のような素敵なフォーク曲の連発になっていて もうホント最高です。
使用楽器は12弦と6弦のギターとフィドルの他 マンドリンが入る曲も印象的ですね。
その他 ドラムスが入るフォーク・ロックな曲もあり これがまた効いていますよ。

爽やかな朝の目覚めを思わせる 1 2曲目は実際は入っていない小鳥のさえずりが
聴こえてくるようでこの2曲だけでも昇天しそうなのに 続く3曲目は大らかで切ない
胸を締め付けられるフォーク・ロック曲ときたモンだ。 この曲は6分近くあるけど
全然長く感じずいつまでも聴いていたいし ダサいフィドルのフレーズも逆に愛しいぜ!

そして4曲目の前奏の瑞々しいマンドリンのトレモロが流れ・・・もう昇天しかありません。
と思ったら 5 6曲目は再び小鳥のさえずりが聴こえてきそうな朝の目覚めソングだし 
7曲目はドラムスが入る大らかなフォーク・ロックで2度目の昇天がやってきますよ。

楽曲のメロディーは美しいですが演奏とヴォーカル・ハーモニーは平均点レベルで
そんなレベルにかったるい地味なフォークと感じる人もいるかも知れませんねぇ。
全体に流れる優しく瑞々しい雰囲気を感じとる事ができるかどうかがポイントかもね。
様々な風景を想起させてくれる雰囲気を持った本作は僕にとっては大傑作ですよ!

なおプロデューサーは1980年代にネオ・アコースティック方面で多く名前をみかける
ジョン・A・リバースです。 ジョン・A・リバース!・・・もしかしてこれが最初の仕事?
 



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DAVE WAITE & MARIANNE SEGAL 「PAPER FLOWERS」 (2004)
英 LIGHTNING TREE LIGHT FLASH CD 002 (CD)

 1 Paper Flowers
 2 It's Really Quite Alright
 3 I Can't Love You More
 4 Safe In Your Castle
 5 It's Not Really Fair
 6 Miranda In The Sun
 7 Percy's Song
 8 Tom Thumb's Blues
 9 Dawn Song
10 Milkwood Dragon
11 September Song
12 All The Reasons
 13 Rainbow
 14 I Think It's Going To Rain Today
 15 Miranda In The Sun #2
 16 Released
 17 All The Good Times
 18 It's Really Quite Alright (demo)
 19 I Can't Love You More (demo)
 20 Country Meets Folk Intro (hidden track)
 21 Shine A Candle
 22 Circles
 23 Paper Flowers (demo)


デイヴ・ウェイト&マリアンヌ・シーガルの男女デュオはこの後男性1人を加え
3人組のジェイドとなりアルバム「Fly On Strangewings」を出す事になります。
2人組から3人組へ チンペイの言いつけを無視した行為は腹立たしい限りですが
デイヴ・ウェイトが若ハゲなのでルックス方面の強化のための増員と考えれば
誰もが納得せざるを得ません・・・そういえばチンペイもほんのり若ハゲだったよね。

で これは彼らの編集盤で1〜3曲目が1969年に発表されたシングルの曲で
後は1967〜1970年に録音されたスタジオ音源やライブ音源で構成されています。
シングル曲の1〜3曲目はストリングスやホーンも入って思いっきり歌謡曲ですが
4曲目以降の曲はアコギを基調にしたシンプルな伴奏でフォーク・デュオ状態です。

英国臭香る美しい曲も収録されていますが 明るいメロディーにブ厚くコーラスが
入る曲が印象に残り アコギの伴奏もアルペジオよりもジャカジャカ弾きまくりが多く
全体的に英国的な繊細さよりもアメリカンな商業フォークっぽさを感じてしまいます。
でもほんの少し陰のあるマリアンヌ・シーガルのヴォーカルがそりゃー美しくて良いし
素直なメロディーを持った楽曲がまた覚えやすくて 一緒に歌いたくなりますよ。

ほとんどの曲がマリアンヌ・シーガル作ですが 7 8 14曲目はカバーになっていて
マリアンヌ・シーガル自身によるブックレットのコメントではボブ・ディラン作の7曲目は
フェアポート・コンヴェンション・ヴァージョンを聴いてこの曲が好きになったとの事です。
「アンハーフブリッキング」を聴いて 私たちの進む道はこれだ!と思ったのかな?
この後ジェイドになってフェアポート〜サンディ・デニー色が強くなるのもミョーに納得。

20曲目はラジオ番組のDJによる彼らの紹介シーンです。
そーいえばラジオ聴いてねーなぁ。 そしてラジオといえば「天才・秀才・バカ」ですよ。
確かチンペイがメインに喋ってバンバンが合の手を入れる感じだったかなぁ。
チンペイ? バンバン? そりゃー何だ? と思った人は勝手に調べてみてください。

JADE 「Fly On Strangewings」のレヴュー・・・第77号


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