イタリアのGET BACK AKARMA EARMARKといったレーベルは
何かヤバい香りを放つ危険な作品をLPで再発するのが得意技のようです。
危険な作品って一体何だ?って言われたら僕自信もよくわからないのですが
何か凄そうだ!これは聴いておかないといけないんじゃないか?
と思わせてくれる独特の香りを放つのが危険盤って事でいいでしょうか。
で そーゆーのに出会うと内容が不明でも購入しちゃうんだなぁ。 これが。
という事で最近入手したアカルマ盤を並べてみました・・・うーん危険です。



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THE WOODEN O 「A HANDEFUL OF PLEASANT DELITES」 (1969)
伊 AKARMA AK 322 (LP/2005)

side1:THE LESSON
A1 Toye Tune
 2 Pipe Tune
 3 Sad Tune
 4 Dance Tune
 5 Sick Tune
 6 Walking Tune
 7 Concerto
 side2:LOVER'S PROGRESS 
 B1 Maypole
  2 Overture
  3 Sweet-Bedded
  4 Arise
  5 Fayne Would
  6 It Was
  7 Away


ウーデン・オーって何だったっけ? このジャケットは確かラビリンスにも載っていたよなぁ。
裏ジャケのメンバーが抱える楽器も笛類とダブル・ベースとマンドリンとハープでそそるし
何といっても この笛を吹きながら美しい女性をはべらせたジャケットがたまらん!なので
こりゃーたぶん英国トラッド系だねと決めつけてチャレンジ購入してみました。

家に帰ってきて盤に針を落とすと もの哀しい笛の音が響き渡り おお!これは良い!
と一瞬思ったのだけど 聴き進むと各楽器の暴れ具合いはジャズっぽいじゃないですか。
そしてヴォーカル無しの全編インスト・アルバムときたモンだ・・・あれれ?

まあトラッド風味の部分もあるし クラッシックや宮廷音楽を感じさせる部分もあるけど
主旋律を吹く笛類の暴れ具合が激しくて メロディーを追って聴けない感じもジャズっぽく
インストでダブル・ベースがブンブンうなるとなると全体から放たれる印象はジャズなのです。

これはたぶんテンション高い演奏なんだろうけど僕はそれに興奮するって事も無いので
じっくりと耳を傾けて一音一音聴き逃さないように向かい合うような作品では無いなぁ。
英国フォークの変則的作品としてダラダラと流しておけば まあそれなりに楽しめるかな。

ハープが入る何曲かはゆったりと流れ クラナドを思わせたりもして これは心地良いし
笛で鳥のさえずりを表現したと思われるB2は鳥のさえずり好きなボクやアナタ向けだし
また素敵なジャケットはそこら辺に飾っておけば ほーらおしゃれなインテリアのできあがり!

しかし聴いているとバックにけっこう大きくブツブツとノイズが入るので盤起こしかもね。
果たしてアカルマってちゃんとライセンスをとって再発しているのでしょうかねぇ。
一応ジャケ裏にはバーコードも印刷されていてまともな流通に乗ってはいるのだろうけど
アカルマ盤を正規盤と呼んでいいかどうかは ちょっと怪しいですね。
つまりやっぱりアカルマ盤は危険って事ですよ。 よーし!これからもどんどん積極的に
アカルマ盤を購入して翻弄されるぞ! 翻弄されるぞ! 翻弄されるぞ!
 



PoetSong.jpg

TINA & DAVID MELTZER 「POET SONG」 (1969)
伊 AKRMA AK 054 (LP)

A1 I'm The Early Morning Racer (poem)
 2 I'll Forget You
 3 The Bath (poem)
 4 I'm A Lover
 5 Ravel Blues
 6 The Blackest Rose (poem)
 7 It Is For You
 8 Lullaby
 B1 I'm So Willing
  2 Lamentation For Hank Williams (poem)
  3 Hymn To Love
  4 Confessin' (poem)
  5 Pure White Place
  6 Poem For My Wife
(poem)
  7 For Tina


中古盤をサクサクやっていたら出てきたティナ&デヴィッド・メルツァー(読み方適当)。
表ジャケにヴァンガード・レーベルの文字があったのでジャケットの雰囲気からして
僕が大好きなヴァンガード所属芸人のイアンとシルヴィアに近い感じの
フォーク・デュオかなぁと思い抜き出しました。 裏を見るとアカルマの文字があり
これアカルマ再発盤じゃないの! これはただのフォーク・デュオじゃないぞ!と
危険な香りを感じ 後は価格と相談です。 税込1050円かぁ・・・よし買った!

アカルマってレーベルのカタログを見るとサイケ〜プログレ〜フォークと色々あり
英国芸人を中心にヨーロッパ アメリカ 南米物も出していて一筋縄ではいきませんが
本作はオリジナル盤がヴァンガードなのでアメリカ芸人さんのアルバムですね。

そしてこれがチャレンジ買い成功でした。 ストリングスや管楽器も入ったフォークで
適当にポップでありながらも何か気だるい雰囲気が漂うアシッド・フォーク風味ですよ。
デュオでありながら2人のハーモニーで聴かせる事は無く ほとんど女性だけで歌い
この芯が強そうでありながらも虚ろな歌声が気だるい雰囲気を作っているのかな?

曲名の後ろに(ポエム)ってあるのはバックにギターの演奏が入る詩の朗読で
男性の方が語っているのだけどアルバムの流れの中で邪魔になる事も無いですね。

ストリングスと管楽器が美しいA2はジェントル・ソウルみたいで気持ち良いし
間奏で鋭いエレキギターが入りじわじわとトリップするB5がまた良いですよ。

カントリー臭とかは全く漂わずあまり米国フォークを感じさせない作品ですね。
アルバム全体を通して良い雰囲気を放っている中々の好盤・・・そして危険盤ですね。
 



TudorLodge.jpg TudorLodgeBack.jpg

TUDOR LODGE 「TUDOR LODGE」 (1970)
伊 AKRMA AK 320 (LP/2005)

A1 It All Comes Back To Me
 2 Would You Believe?
 3 Recollection
 4 Two Steps Back
 5 Help Me Find Myself
 6 Nobody's Listening
 B1 Willow Tree
  2 Forest
  3 I See A Man
  4 The Lady's Changing Home
  5 Madeline
  6 Kew Gardens


最近入手したアカルマ盤で一番嬉しかったのはこのチューダー・ロッジですよ!
6面開き変形ジャケットを再現しているという事だったのでこれは欲しいぞ!って事で
発売されました情報をキャッチしてすぐにレコード屋に走りました。

1秒でも早くゲットして変形ジャケを開いたり閉じたり 閉じたり開いたりしたかったので
まるでその走りはドーピングをした100メートル走選手の如く限界を超えた走りでしたね。
・・・ってそんな訳ないけど アカルマ盤LPが置いてありそうな店を狙って走ったけど
最初に覗いた店では置いていませんでした。 くっそー! アッタまにきたので
目指せベン・ジョンソン!目指せベン・ジョンソン!と叫びながら
再びドーピングをしたかの如くな走りで次の店へ。 いや あの瞬間の僕は
かなり狂っていたのでベン・ジョンソン以上の凄い走りだったに違いありません。
・・・ってそんな事はないけど おっと この店には置いてありましたよ。
やった! 無事ゲットできました。 わーい わーい 嬉しいなぁ。

とても嬉しいのでジャケットを開いた裏側の真っ黒なヤツも無駄に写真を撮って
一生懸命トリミング作業もしてしまいました。 ああ・・・この写真をトリミングする作業は
けっこう時間がかかってしまって意味の無い時間を使ってしまったような気もしますが
嬉しいのでそんなちっちゃな事はいちいち気にするもんか!

そいえば以前どこかで見た事があるオリジナル盤の裏側は白色だったような気がします。
そしてこのアカルマ盤は表ジャケの指紋みたいな凹凸のある特殊な紙が
再現されていないのは残念ですが音楽の内容はホント素晴らし過ぎですねぇ。

ドラムスなどが入る曲もあって どフォークではない上に美しいメロディーは覚えやすくて
一緒に歌えてしまう親しみやすさもあるという非トラッド系フォークの最高峰ですよ。
アン・スチュワート様の美声ヴォーカルとフルートが炸裂して とろけちゃいそうだし
全体から放たれる雰囲気は英国の田園風景を思わせ あぁーもう漏らしそうです。

いかん! ホント嬉しい! また今日も変形ジャケを開いたり閉じたり 閉じたり開いたり。
僕をこんな遊びに走らせるアカルマ盤はやっぱり危険過ぎます。
さて あともう1回だけ開いたり閉じたり 閉じたり開いたりしてからしまおうかな。

チューダー・ロッジのレヴュー
ベル・アンティーク社からのコンパクト・ディスク「Tudor Lodge」・・・第3号
レア音源集「It All Comes Back」・・・第17号
活動再開後の作品「Runaway」・・・第99号
 


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