英国レア・フォークのLPってオリジナル盤は高額商品なんだろうけど
再発盤LPとなると中古で安く転がっているのをたまに見かけます。
もちろん再発盤でもプレミアがついて高額の盤もあるけど
そーゆーのはビビって購入できない僕は安い盤ばかり購入していますよ。
うーん 安い イコール カス盤って事でいいのかな?
確かにどうしても入手したくなるような必殺の内容って事は無いけれど
それなりに良い部分もあるので安く入手できるなら持っていても損はありませんね。



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VULCAN'S HAMMER 「TRUE HEARTS AND SOUND BOTTOMS」 (1973)
英 PORCELAIN PCN002 (LP/1997)

A1 True Hearts And Sound Bottoms/Harvest Home
 2 John Barleycorn
 3 Jamie
 4 The Keys Of Canterbury
 5 Davy Lowston
 6 Lord Of The Dance
 7 Poverty Knocks
 B1 The Greenhopper
  2 Hens' March To The Midden
  3 The Holmfirth Anthem
  4 The White Hare Of Howden
  5 The Grey Havens
  6 Fire And Wine


以前大阪へ行った時に心斎橋のジャズボという店で購入したヴァルカンズ・ハマー。
セール品のエサ箱から税込500円で抜いてきました。 500円かぁ・・・人気無いねぇ。
このレーベル名はポーセレインでいいのかな? もちろん読み方適当シリーズですが
本作のCDは英キッシング・スペルから出ていて このLPのジャケット裏には
Issued under exclusive licence from Kissing Spellってありキッシング・スペル絡みです。

収録曲は全曲トラッドで 数曲フィドルが弾むインストのダンス曲が入っているけど
基本路線はコーラス・ハーモニーでじっくりと歌を聴かせるタイプです。
ギターやバンジョーによるバックの演奏も 歌の伴奏ですって感じの地味さで
トラッドが苦手な人は絶対ダメだろうなーと思わせる納得の不人気商品ですよ。
無伴奏のアカペラ・コーラス曲を聴くと中々の実力派ではあるのだけどね。

積極的に伴奏の特徴を探して聴くと12弦ギターを多用していてちょっと金属的な
音色が面白く聴こえる瞬間がありますね。 フェアポート・コンヴェンションの
「Si Tu Dois Partir」を思いっきりショボくしたようなアレンジのA6も面白いね。

そして少々虚ろな女性ヴォーカルが入り このヴォーカルがとても良いんだなぁ。
多くの場合は男性ヴォーカルと一緒にコーラスをしているけれどA4やB5あたりでは
女性ヴォーカルがソロで歌う部分があって これが脳味噌をクラクラさせてくれます。

英国トラッドらしい暗いメロディーを持った曲も収録し英国臭がプーンと漂うし
レア盤独特の霞の向こうから浮かび上がってくるような感じもあるような無いような・・・
そうだねぇ このアルバムは雰囲気で聴きましょう。 冷静にじっくり音を追って聴くと
ホントどーって事の無いトラッド・コーラス・グループに聴こえちゃうからね。
でも500円で購入できればオッケー! 僕も500円分は十分楽しめました。
 



LookingBackOnTheFuture.jpg

DAWNWIND 「LOOKING BACK ON THE FUTURE」 (1976)
英 ENGLISH AUTUMN EAR 1001 (LP/1997)

A1 Don't Look Now,
   Karen's Gone To The Moon
 2 Concrete Circles
 3 Man Of Stars
 4 Derelict
 5 Sam Stone
 6 Canticle
 B1 Who's Passing Dreams Around
  2 Street Singer
  3 Lover Of The Game
  4 I'm Sentimental Too
  5 Dogs Of War
  6 Widow With A Husband


池袋のディスク・ユニオンでオルタナティヴのコーナーをサクサクやっていたら
出てきたのがこれ ドーンウインド。 ジャケットがトラッド・グループっぽくて気になり
引き抜いてジャケ裏のクレジットを見るとドラムレスでアコギをメインに使用ですよ。
録音もウェールズで1976年という文字もあり英国フォークの香りがプンプン臭って
おっと手元には割引き券もあるじゃないですか。 割引き分を計算すると
1000円でおつりがくるからハズレでもいいや・・・とチャレンジ購入です。

家に帰ってから「ラビリンス/英国フォーク・ロックの迷宮」を見たら載ってましたね。
ラビリンスに載ってるオリジナル盤とはジャケットが違ったけれど
ホントにラビリンスは何でも載っているんだねぇ。 いやぁ凄い本です。

しかしオルタナティヴのコーナーにあったのは誰かマーキング行為をしたからかなぁ。
たまにマーキング行為であれをこっちに これをあっちにと入れかえているヤツを
見かけるけど あんなに入れかえて何か意味があるのでしょうか?
まったくマニアなヤツのやる事は理解できん!・・・あ 僕もマーキングしますけどね!

で 本作のサウンドは予想していたトラッド系ではなく 非トラッド系のフォークでした。
メンバーは5人いますがコーラスで聴かせるよりソロで歌う部分が多いので
のどかなシンガー・ソング・ライター風味の音としても聴く事ができます。

B4はピアノが入ってウォーター・イントゥ・ワイン・バンドの如く!・・・だけど
メロディーが弱いんだよなぁ。 メロディーの弱さはは全体的に言える事で
聴き終えて印象に残る曲が無いという地味さで 納得の不人気商品でもあります。

冷静にまっとうな音楽ファンの耳で聴くとホントしょーもないカス盤にしか
聴こえなかったりするので 前項のヴァルカンズ・ハマー同様に英国レア・フォークの
1枚として雰囲気を楽しんで聴く作品ですね。 うん1000円ならオッケーだね!
 



TheChildrenOfLir.jpg

LOUDEST WHISPER 「THE CHILDREN OF LIR」 (1973)
英 ENGLISH GARDEN ENG 1015 (LP/1995)

A1 Overture
 2 Lir's Lament
 3 Good-Day My Friend
 4 Wedding Song
 5 Children's Song
 6 Mannanan I
 7 Mannanan II
 B1 Children Of The Dawn
  2 Dawning Of The Day
  3 Septimus
  4 Farewell Song
  5 Cold Winds Blow
  6 Sad Children


そして現在カス盤の仲間入りしそうなのが このアイルランドのラウデスト・ウィスパー。
というのも僕がよく訪れる何件かの店ではいつ行っても中古CDが置いてあり
誰も見向きもしないので売れ残っているというイメージがあるのです。

僕は以前その誰も見向きもしないキッシング・スペルからのCDをバカ安価格で購入し
第50号で紹介したのですが今回再発盤LPを更に安く入手したので再レヴューです。
いや更に安く入手って0円なのですが・・・実はこれ人から貰ったのです。
いただいた方に聞いたら本作は中古を1500円程度で購入したとの事でしたよ。

ジャケ裏にLicensed from Kissing Spell Productionの文字があるので
ヴァルカンズ・ハマーと同じくキッシング・スペル絡みの再発LPですね。
そのキッシング・スペルのCDは変な宗教画ジャケがしょーもなかったので
CDに入っていたボーナス曲が無くてもやっぱりこのオリジナル・ジャケのLPが良いね!

本作はロック・ミュージカル作品って事でブ厚いコーラスがソフト・ロック風味でもあり
イヤーな感じの曲もあるけどA2 B4の室内楽フォークはやはり素晴らしいですねぇ。
そしてフルートが入った可愛らしいフォーク・ロック曲A6が良いし
ゆらゆらと漂うパーカッションとフルートに風の音の効果音のB5がまた心地良いです。
アルバム全体で素晴らしいって事は無いけど何曲かピックアップすると
必殺度高い曲があり 今やカス盤の仲間入りしそうなのがもどかしくもある作品です。

なおこの「The Children Of Lir」ってゆー作品は1990年代にドノヴァンをフューチャーし
再演され「Brian O'Reilly With Special Guest Donovan/The Children Of Lir」名義で
韓国シーワンからCDが出ていました。 それも所有しているけど・・・聴いてねぇー。

Loudest Whisperのレヴュー・・・「Maiden Of Sorrow」→第40号
                   「The Children Of LirのCD」→第50号
 


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